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ゼレンスキー大統領の資質に疑問を呈していたバイデン政権はホストメル空港占拠の可能性を事前に伝えていた。その他ウクライナ戦を巡る最新状況。

 



Photo by Sergei SUPINSKY / AFP)

 

 

シアによる侵略から半年、ウクライナは自力で持ちこたえており、何千もの敵の装備を破壊し、多数のロシア軍兵員を殺し、ドンバスや南部への進出をほぼ阻止してきた。

 しかし、ワシントン・ポストのレポートが示すように2014年からウクライナの一部を占領していたロシアからの大規模な攻撃がほぼ確実に起こると、米国がウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領と世界を説得するのは簡単ではなかったようだ。

 米国当局がクレムリンによるウクライナ侵攻の秘密計画について「並外れた詳細」を入手していたにもかかわらず、である。

 「政権はまた、ウクライナの若き大統領にも重大な懸念を持っていた。元テレビ漫画家で、大衆の支持と根本的な変化を望む大きな波に乗り就任したものの、ロシアとの和平を実現する公約を果たせなかったこともあり、国民の支持を失っていた」とポストは記している。「44歳のゼレンスキーは、冷酷なプーチンにかなわないように見えた」。

 今日に至るまでの出来事に関する特別報道は、ロシアの攻撃方法について米国当局が予想した内容も示している。

 「情報によれば、ロシアはキーウの両側、北からやってくるだろう。一方はキーウの東側からウクライナのチェルニヒフ市を通り、もう一方は西側からベラルーシからチェルノブイリ原発の立ち入り禁止区域と周辺の湿地帯の間にある自然の隙間を通って南下してくるだろう。攻撃は冬に行い、地盤が固いため戦車が通りやすい地形にする。ロシア軍は首都キーウを挟み撃ちにし、3〜4日でキーウを占領する計画だった。ロシア軍の特殊部隊スペツナズは、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領を見つけて排除し、必要なら殺害し、クレムリン寄りの傀儡政権を樹立するつもりだった」。

 記事はまた、1月12日にCIA長官ウィリアム・J・バーンズがキーウでゼレンスキーと会い、侵攻の開始となるホストメル空港への攻撃について率直な評価を伝えたとう伝えている。

 「ロシアがキーウを雷撃攻撃し、中央政府を崩壊させるつもりであることは、情報によって明らかになった。米国は、戦場での計画の重要な部分を発見していた。ロシアはまず、首都近郊のホストメル空港に軍を上陸させようとするだろう。滑走路があり、兵員や武器を積んだロシアの巨大輸送機が着陸できる。キーウへの攻撃はそこから始まるだろう」。

 ホストメルは、攻撃で破壊されることになる世界最大の貨物機、ムリヤとして知られるアントノフAn-225の本拠地である。

 また、「世界最強の軍事同盟が、ロシアと国境を接する完璧とは言えない民主主義国家を、NATOが発砲せずに攻撃から守るため、どのように支援するかという課題も明らかになった」と述べている。

 記事は、ロシアと戦うために、より多く、より強力な武器を求めるゼレンスキーの度重なる訴えも取り上げている。

 

最新情報

この1週間で2度目となる、クリミアのロシア軍施設に対する攻撃が発生した模様だ。

 ロシアがウクライナで勝利できないままのため、自暴自棄になったプーチン大統領が核兵器に頼るのではないかとの憶測が広がっている。

 しかし、ロシアの国防大臣セルゲイ・ショイグによって、一時的にその懸念は払拭された。

 「軍事的な観点から言えば、設定された目標を達成するためにウクライナで核兵器を使用する必要はない。ロシアの核兵器の主な目的は、核攻撃を抑止することだ」と、モスクワで開かれた国際安全保障会議でのスピーチでショイグは述べた。

 この数週間、ウクライナとロシアの戦場はほとんど変化していないように見える。

 英国国防省(MOD)は最新評価で、どちらの側にも利益はほとんどなく、戦闘はまだ収まったままであることを示している。

南部では、ミコライフの南と東、ザポリジャの南とドンバス地域の東、ドネツクの方向に走る狭い範囲で戦闘が行われている。ドンバスとその周辺では、スロビアンスクの北西から西へ、イージウムの南東とホルリウカの北東にかけて衝突が起きている。また、ハルキウの北でも戦闘が報告されている。

 7月初め、ウクライナ軍は東部の都市リシヤンスクから撤退した。しかし、1カ月以上経った今、そこにいるロシア軍に手が届かないわけではないようだ。

 火曜日にTwitterで公開された動画は、ウクライナ治安維持局旧本部へのウクライナ軍の攻撃の余波と思われるものだった。この建物は、ロシア人が本部として使用していたといわれる。

 22秒のビデオクリップには、ロシア軍と思われるものが、かつてその建物だった場所で瓦礫の山を移動している様子が映っている。死傷者が出たかどうか、どのように攻撃が行われたかは不明。

 ロシアのワグネルグループのメンバーがソーシャルメディアに画像を投稿した後、ウクライナ軍はポパスナ市にある同グループ本部を地理的に特定することができ、おそらく米国が供給した高機動砲ロケットシステム(HIMARS)による長距離砲撃で一掃することができたようだ。

 キーウ・ポスト紙の「特派員」である@officejjsmart氏は、火曜日朝に自身のTwitterアカウントで、多くのメンバーが殺害されたことを指摘した。

 「26万8000人のフォロワーを持つ『グレーゾーン』テレグラムチャンネルを運営していたワグネル・ロシアの傭兵が8月13日以来更新していない」と報告した。「友人のウクライナ人ジャーナリスト、デニス・カザンスキーによると、ポパスナへのHIMARS攻撃で編集者が消された可能性が高い 」という。

 台湾は、米国議員の訪問に対する中国の軍事的反応についての記事で指摘したように、より大きな敵に挑むことの意味をよく理解している。そして今回、台湾製の無人機がポーランド経由でウクライナに渡ったようだ。

 ロシアのArmy 2022武器博覧会では、ウクライナがロシアに対して大きな効果を発揮している鹵獲兵器の展示があるようだ。

 ひとつは、米国や同盟国から大量に提供されたウクライナ製のM777榴弾砲の鹵獲品。

 もうひとつは、トルコ製のベイラクターTB2ドローン(捕獲したベイラクターの部品をフランケンシュタインのようにつなぎ合わせたレプリカ)で、ウクライナは、特に戦争初期に、スネーク島からロシアを追い出すため劇的な方法で、非常に効果的に行使していた。ウクライナの著名な戦争ウォッチャー数名は、ロシア軍がTB2を再生したのに感心していないようだった。

 しかし、よく知られているように、ウクライナは数百台の戦車やドローンなど、ロシア装備品も大量に捕獲している。

 リストには、ロシアのEleron T28 ME偵察機も含まれているようだ。Ukraine Weapons TrackerのTwitterアカウントは、今日、ウクライナで初めて紛失したとされるロシア製偵察機Eleron T28MEを公開した。これは、よく見かけるEleron-3システムの大型版で、より長い航続距離がある。

 ウクライナには対戦車兵器多数があるが、ツイッターのUAWeaponsアカウントは、数ヶ月前にブルガリアからウクライナ軍に数不明のBULSPIKE-AT対戦車ランチャーが届けられたと報告している。

 ブルガリア最大の武器メーカーであるVazovski Mashinostroitelni Zavodi (VMZ) ЕADによれば、この武器はPG-22対戦車手榴弾を発射する。

 「BULSPIKE-AT弾は戦車、自走砲、その他の機動・装甲車両の破壊を目的としています」と同社はウェブサイトで述べている。「同様にバンカー、フィールドシェルター、都市型レンガ壁要塞内の敵兵力も対象です」。■

 

 

Ukraine Situation Report: U.S. Told Kyiv Russia Planned To Seize Hostomel Airport

BYHOWARD ALTMANAUG 16, 2022 7:52 PM

THE WAR ZONE

https://draft.blogger.com/blog/posts/5003292152264007958

 


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