Su-75 mockup image. Image Credit: Creative Commons.
ロシアはSu-75を安価なステルス戦闘機として海外売り込みを図ろうとしているが、同機が完成しない可能性も残る
プロトタイプ製作を急ぐ
ユナイテッド・エアクラフトCEOのユーリー・スリュサル Yury Slyusarは、Su-75の試験機2機がまもなく登場すると語っている。スリュサルはタス通信に、「チェックメイト・プロジェクトでは先進的スーパーコンピュータ技術を使用しており、試作機の製造期間を大幅に短縮し、2024年には飛行試験を開始できる」と語った。現在、プロトタイプ2機の製造準備が進められている。スリュサルは試作機は合計4機になると語った。
Su-75の香水?
これまでのところ、Su-75は航空ショーでの巧みなマーケティング・キャンペーンで知られる。排気ガス、革、金属から香りを取り騎士のチェスの駒の形をした瓶に入った「排気ガス香水」さえ登場している。
競合他社より安いか
香水はともかく、ロシア軍は、輸出による売り上げで事業経費を賄えると考えている。売上の原動力が低価格だ。Su-75は1機あたり25百万ドルから30百万ドルになる可能性がある。フィンランドが今年、ライトニングII64機に94億ドルを支払ったが、F-35単価はSu-75よりはるかに高い。スウェーデンのJASグリペンは輸出市場で約60百万ドルで、これもSu-75より高価だ。しかし、Su-75がまだ初期段階にあるのに比べ、各機には実績がある。
速度、ペイロード、低い整備費が売り
メーカーのスホイは、Su-75はマッハ1.8に近い速力、1,800マイルの航続距離、弾薬7トンを搭載できると主張している。Air Force Technologyは、「搭載システム、コックピット、その他の特定の要素はSu-57機から派生したもので、コスト削減とメンテナンス効率の向上を実現した」と書いている。
人工知能で飛行が楽になる
スホイは、コックピットと搭載機器が1つのシステムとして統合されているため、競合機より安価にメンテナンスできると考えている。エイビオニクスも第4世代戦闘機より改善されている。スホーイは、同機には人工知能が搭載され、AIが「副操縦士」となり、パイロットが飛行に集中できると主張している。有人型Su-75でAIが期待通りに機能すれば、無人型も登場するかもしれない。
もう一人の 「忠実なウィングマン」
Su-75は、「忠実なウィングマン」機能を搭載するかもしれない。状況認識能力を高め、ターゲティングや爆弾のダメージ評価で、ドローン群をコントロールできるようになる。
また、レーダー探知を減らすため武器格納庫5箇所を備え、空対空ミサイル、空対地ミサイル、対レーダーミサイル、精密誘導爆弾の搭載が可能となる。
F-35やJAS 39グリペンへの対抗すは厳しい
Su-75が初飛行するまでは、F-35やJAS39グリペン並のに注文多数を受けることはない。しかし、ロシアの野心的な姿勢は評価できる。2024年予定の初飛行は実現しないかもしれない。ロシアのもうひとつのステルス戦闘機Su-57の開発は長年問題に悩まされており、初飛行が延期されたからだ。スホーイは第5世代戦闘機への期待と需要を高めるため、今後の航空ショーでSu-75のマーケティングを強化するのではないか。チェックメイトのプロトタイプ展示も、香水の展示も、今回限りではなさそうだ。
Su-75. Image Credit: Russian Government.
専門家の見解
ロシアはSu-75を生産し、外国に販売する方針を明確に打ち出しているが、専門家の大勢は懐疑的だ。
19FortyFiveでは、30年にわたりロシア空軍の専門知識を持つ元米国空軍大佐に話を聞いたが、彼はいわゆるチェックメイトの飛行に深刻な疑問を示した。「新型ステルス戦闘機のテストと飛行に必要な数十億ドルを考えると、ロシアにそれだけのルーブルがあるだろうか。また、ウクライナの惨事の後で、誰がロシアの軍備を買いたいと思うのか?信頼性に欠ける装備品を何十億ドルもムダに払って買う向きがあるだろうか?Su-75が飛ぶ姿を見ることはないだろう」。■
Russia’s Su-75 Next Generation Fighter: The Cheap 'F-35' For Sale Soon? - 19FortyFive
Now serving as 1945’s Defense and National Security Editor, Brent M. Eastwood, PhD, is the author of Humans, Machines, and Data: Future Trends in Warfare. He is an Emerging Threats expert and former U.S. Army Infantry officer. You can follow him on Twitter @BMEastwood.
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