スキップしてメイン コンテンツに移動

再びクリミアのロシア軍基地で大爆発。ウクライナによるクリミア半島奪回の作戦なのか。憶測を呼んでいる。

 

via Twitter

 

クリミアのサキ空軍基地の航空機が謎の爆発で破壊された1週間後に今回の事件が発生した

 

 

リミアのロシア軍施設への最新の攻撃として、ロシア空軍基地と弾薬庫が攻撃された。モスクワは少なくとも1件は破壊工作と主張し、ウクライナは精鋭部隊の成果だと主張している。

 ロシアメディアは、現地時間午前6時過ぎ、クリミア北部のジャンコイジャンコイにある軍施設の弾薬庫で爆発があり、線路と変電所が破損したと報じた。同地域は占領下のケルソンから約30マイル地点で、ロシアからの物資を運ぶ鉄道の重要拠点となっている。

 サキ空軍基地で謎の爆発により軍用機多数が損傷または破壊された1週間後に発生したジャンコイ事件を受けて、クリミア当局は火曜日に非常事態を宣言した。

クリミア自治政府のセルゲイ・アクセノフは自身のテレグラム・チャンネルで、「非常事態だ」と述べた。

 「国防省によると、今朝、ある軍事部隊の弾薬の一時保管場所の領域で火災が発生した。現在も爆発が続いている」とアクセノフは書いている。

 現場周辺は5キロメートルにわたり封鎖され、約2,000人が避難した。「現場で支援を行っている。救急車や法執行機関も十分動員されている」(アクセノフ)。

 ロシアの通信社RIA Novosty配信では、この対応は、ジャンコイ地方の村落が被害を受けた後に出されたものとした。ウクライナ当局は、クリミアのウクライナ返還を望むパルチザンによる妨害攻撃を警告していた。

 Twitterで流れた画像は、弾薬庫から出た弾薬が散乱している地域の道路を映している。

 事件は現地時間午前6時過ぎ、マイスコエ村の駐留部隊の弾薬庫で発生した。アクセノフによると、民間人2人が軽傷を負った。

 「弾薬が散布し、鉄道線路が損傷し、旅客列車7本が遅延した。現場はすでに復旧しているが、交通再開は安全対策がすべて完了後となる」とRIAノーボスチは報じた。

 一方、ロシアメディアは、ジャンコイの南西約35マイルにあるフヴァルデイスキエHvardeyskye軍事飛行場も燃やされたと報じた。Bellingcatの主任調査員Christo Grozevは、火曜日朝のツイートで、同基地には「SU-24МとSU-25СМが12機配備されていた」と述べた。

 ロシアのコメルサント紙は基地上空に「黒煙の雲」が見られたと報告し、ロシア軍と法執行機関は、第37複合航空連隊が駐留するフヴァルデイスキエを小型無人機が攻撃したか調査中と述べた。

 ジャンコイ付近の爆発について、ロシア国防省は破壊工作とし、ニューヨークタイムズは「ウクライナ軍のエリート部隊 」の仕業と報じた。

 ウクライナ当局は、どちらの攻撃についても、責任を認めていない。先週、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、軍からの情報漏えいに不満を漏らしていた。しかし、火曜日に顧問の一人がツイッターで、ジャンコイへのウクライナ関与をほのめかした。

 また、ウクライナ空軍は、ロシア第39ヘリコプター連隊が駐屯する軍事基地付近で爆発があったと示唆した。

 ジャンコイ爆発の余波は、火曜日にソーシャルメディアで公開された動画が伝えており、炎と煙が立ち上っている様子が映し出されている。

 今回のクリミアでの最新の事件は、2014年にロシアが占拠したサキ空軍基地が、依然原因不明の爆発に揺さぶられた1週間後に発生した。同基地は、ロシア海軍の第43独立海軍攻撃航空連隊(43 OMShAP)の本拠地で、同連隊は、主にSu-30SMとSu-24M/MRを運用し、2021年には黒海でNATO軍と何度か遭遇して話題になった。

 プラネット・ラボより入手したサキ基地の衛星画像では、航空機が最も大きな打撃を受け、標的とされたようで、少なくとも10機が深刻な損傷または破壊を受けている。また、航空機用防壁やその他の構造物にも目に見える損傷が見られるが、一部の重要インフラは無傷のようだ。基地で何が起こったのか、正確な状況は不明なままだ。

 

 

2022年8月10日、基地を襲う連続爆発の翌日に撮影されたサキ基地の衛星画像。A satellite image of Saki Air Base taken on August 10, 2022, the day after a series of explosions ripped through the base. PHOTO © 2022 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. REPRINTED BY PERMISSION

 

 クリミアでの攻撃は、ウクライナの長距離砲撃の射程をはるかに超えている。

 ウクライナは、米国から供与されたM142高機動砲ロケットシステム(HIMARS)16基と、英国から供与されたM270システム3基を保有している。

 いずれもロッキード・マーチン製の誘導多連装ロケットシステム(GMLRS)含む各種227mmロケットや、陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)の短距離弾道ミサイルを発射できる。これまで米国がウクライナに提供したのは、GPS/INS誘導で約70km離れた標的を攻撃できる200ポンド級単弾頭のM31ロケットのみで、その量は非公表だ。特に、ウクライナが米国製兵器を通じロシア国内の各種目標に精密打撃を加える手段を入手し、ロシアが対抗しウクライナ目標に打撃を加える可能性がある。

 バイデン政権は、ATACMSを供給したことを先週末時点で全面否定している。

 サキ基地攻撃に関する憶測に反応し、ペンタゴンは先週、ウクライナに提供していないため、ATACMSの可能性はないと述べた。

 状況を知るウクライナ軍高官はニューヨーク・タイムズに対し、サキ爆発事件の背後にウクライナ軍が存在すると語った。

 その結果、これらの攻撃で何が使われたのか、小型武装ドローンから、以前紹介した「シャーマン大隊」の特殊作戦による破壊工作、ウクライナが独自の弾道ミサイルシステムを密かに配備している可能性まで、さまざまな憶測が飛び交っている。ウクライナ軍、あるいはウクライナに忠誠を誓う者が、クリミアで注目を集めた黒海艦隊司令部への攻撃で小型無人機を使用したことがあるが、当時は、これはその後の攻勢の前触れに過ぎないといわれていた。ウクライナは市販の長距離精密ドローン攻撃能力も保有し、それが今回の犯人である可能性もある。ただ、実態はわからない。

 誰がどのように攻撃したかは不明だが、1つだけはっきりしていることがある。

 クリミアのロシア軍施設は今後も標的となる。■

 


Russian Military Installations In Crimea Explode | The Drive

 

BYHOWARD ALTMANAUG 16, 2022 12:27 PM

THE WAR ZONE


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

日本の防衛産業が国際市場でプレイヤーになれるか試されている。防衛面の多国間協力を支える産業が真の国際化を迫られている。

  iStock illustration CHIBA, Japan —  インド太平洋地域での中国へのヘッジとして、日米含む多数国が新たな夜明けを迎えており、軍事面で緊密化をめざす防衛協力が進む 言うまでもなく日米両国は第二次世界大戦後、米国が日本に空軍、海軍、海兵隊の基地を設置して以後緊密な関係にある。 しかし、日本は昨年末、自国の防衛でより積極的になることを明記した新文書を発表し、自衛隊予算は今後10年間で10倍になる予想がある。 政府は、新しい軍事技術多数を開発する意向を示し、それを支援するために国内外の請負業者に助けを求める。 日米両国軍はこれまで同盟関係を享受してきたが、両国の防衛産業はそうではない。 在日米国大使館の政治・軍事担当参事官ザッカリー・ハーケンライダーZachary Harkenriderは、最近千葉で開催されたDSEIジャパン展示会で、「国際的防衛企業が日本でパートナーを探すのに適した時期」と述べた。 日本の防衛装備庁の三島茂徳副長官兼最高技術責任者は会議で、日本が米国ならびに「同じ志を持つ同盟国」で協力を模索している分野を挙げた。 防衛省の最優先課題のひとつに、侵略を抑止する防衛システムの開発があり、極超音速機やレイルガンに対抗する統合防空・ミサイル防衛技術があるという。 抑止力に失敗した場合を想定し、日本は攻撃システムのアップグレードを求めており、12式地対艦ミサイルのアップグレード、中距離地対空ミサイル、極超音速兵器、島嶼防衛用の対艦ミサイルなどがある。 また、高エナジーレーザーや高出力マイクロ波放射技術など、ドローン群に対抗する指向性エナジー兵器も求めている。無人システムでは、水中と地上無人装備用のコマンド&コントロール技術を求めている。 新戦略の発表以来、最も注目されている防衛協力プログラムは、第6世代ジェット戦闘機を開発するイギリス、イタリアとの共同作業「グローバル・コンバット・エアー・プログラム」だ。 ハーケンライダー参事官は、日本の新しい国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛予算の増強は、「時代の課題に対応する歴史的な資源と政策の転換」につながると述べた。 しかし、数十年にわたる平和主義的な政策と、安全保障の傘を米国に依存してきた結果、日本の防衛産業はまだ足元を固めらていないと、会議の講演者は述べた。 三菱重工業 、 川崎

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックIIAとSM