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AFSOCがCV-22オスプレイの飛行停止措置を発表。

 


第21特殊作戦飛行隊のCV-22オスプレイが2021年1月8日、訓練中の横田基地で離陸した。 (U.S. Air Force/Yasuo Osakabe)



AFSOC司令官ジム・スライフ中将 Lt. Gen. Jim Slifeは、過去6週間に発生した安全事故2件を受け、2017年以来四回目の安全停止を命じた



『ワシントン発】空軍特殊作戦軍団司令部は、クラッチの未知の危険な可能性のある問題を含む「安全事故の増加」を受けて、CV-22オスプレイ・ティルトローター機52機すべてを無期限で飛行停止したことが、Breaking Defenseの取材で明らかになった。

 AFSOC司令官ジム・スライフ中将は、過去6週間に発生した2件の安全事故をきっかけに、火曜日に安全のため飛行停止を命じ、2017年以来合計4回目の措置が発生したと、AFSOC広報官ベッキー・ヘイス中佐 Lt. Col. Becky Heyseが声明で述べた。

 AFSOCはこの問題を 「ハード・クラッチ・エンゲージ」と表現している。基本的には、CV-22の2基のロールスロイス・リバティAE1107Cエンジンの1基とプロペラローターをつなぐギアボックス内のクラッチが、原因不明で滑っているヘイス中佐は説明。そのため動力負荷はほぼ瞬時にもう一方のエンジンに移る。これは、片方のエンジンが故障してもオスプレイが飛び続けられるようにする設計機能だが、ほとんどの場合、最初のクラッチが再びつながり、動力負荷は元のプロペラローターとエンジンに急速に移行する。

 しかし、エンジンをまたぎ動力が急速に移動する結果、乗務員はCV-22を直ちに着陸させなければならず、ヘイス中佐は、「事故発生時に航空機を制御できい場合、機体の制御不能や無制御着陸に至る可能性がある」と付け加えた。

 ヘイス中佐は、この問題によって負傷者や死者が出ていないのは、「CV-22を操縦する空軍隊員の技量とプロフェッショナリズムによるところが大きい」と述べた。

 「搭乗員の安全が最重要であるため、ハードクラッチのかみ合わせ不良の原因を究明し、リスク管理策が講じられるまで、AFSOCのCV-22は飛行しない」。

 事故後にギアボックスとエンジンの交換が必要とれば、250万ドルを超える損害が発生するクラスAの事故となる。

 「AFSOCは根本原因を正確に特定するため工学的データ分析を収集することができておらず、機械、設計、ソフトウェア、またはいずれかの組み合わせであるかどうかは不明である」とヘイス中佐は述べた。

 同中佐は、AFSOCが「この問題を完全に理解し、壊滅的な結果の可能性を軽減するためのリスク制御手段を開発するため、統合事業室や業界パートナーと協力する...最終的に、目標は実行可能で長期的な材料ソリューションを決定すること」と言う。

 V-22は30年にわたる運用中で、安全上の問題が発生し、墜落や死亡事故につながった経緯があり、議論を呼んでいる。最近では、2022年3月にノルウェーで起きたMV-22の墜落事故で海兵隊員4人が死亡し、2022年6月にカリフォルニア州で起きた墜落事故では5人が死亡した。(海兵隊の事故調査によると、3月の事故はパイロットのミスによるものだった。海兵隊関係者は6月の墜落については原因は調査中と述べている) 海兵隊は6月下旬、ベストプラクティスと安全手順を見直すため、すべての海兵隊航空団部隊に短期間の安全停止を命じていた。■


EXCLUSIVE: Air Force Special Operations Command grounds CV-22 Ospreys due to safety issue

https://breakingdefense.com/2022/08/exclusive-air-force-special-operations-command-grounds-cv-22-ospreys-due-to-safety-issue/?_ga=2.198669868.2094857728.1660600187-104215.1658545071


By   VALERIE INSINNA

on August 17, 2022 at 12:58 PM


オスプレイのトラブルとなると早速国内メディアが注目して記事がでていますので、別途メディアチェックを行います。

コメント

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