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中国が秘密裏に開発中の新型長距離爆撃機の外観を知る手がかりとなるモデル2つが登場した
中国の次世代爆撃機H-20では、同機外観と強い類似性があると思われる設計、またはコンセプトを示す2つのモデルが出現したことで、非常に興味深い新展開を迎えた。これまでのH-20の公式レンダリングは非常に不明瞭で、最終的なデザインと関係がないかもしれない描写以上のものは見られてなかった。しかし、最近、中国の国営メディアによって初飛行が近いことが示唆され、新型爆撃機に勢いがあるようで、公式発表(または国によるリーク)がそう遠くないことを示唆している。
ソーシャルメディアに登場した画像は、明らかに金属製の風洞試験モデルだ。これは、主に将来の機体設計の空力性能を試験するために使用される開発ツールだ。今のところ、3つのスクリーンキャプチャが利用可能になっているが、小規模風洞に使われたモデルのオリジナルのビデオは、今のところ登場していない。
また、白色のデスクトップ型モデルもあり、ビデオクリップでは、2人の「パイロット」(1人は民間人、もう1人は軍服)がお披露目している様子が映っている。このイベントは、国営の中国航空工業集団公司(AVIC)と関係があるようで、同社ロゴが模型の後ろに表示され、"ML Aviation "と書かれた英語標識も見える。
映像の出所は今のところ不明だが、シミュレーターを製造したとされるML Aviationという会社と関係があるのかもしれない。
一方、AVICは2018年当時、英語で "The Next... "と書かれたシートの下にCGで作られた飛行翼型航空機を映した、以前のティーザー動画も担当していた。AVICは、H-20の元請け企業として広く理解されている西安飛機工業公司(XAC)を傘下に納める。
また、Y-20輸送機の上に搭載されたモデルが写っている画像があるが、これも出典は不明だ。この2つの模型の大きさを比較すると、明らかにH-20はことなる縮尺で作られていることがわかる。おそらく、空力試験のためにおんぶして運ばれたスケールモデルを表現することを意図しているのだろう。
しかし、最も興味深いのは、この2つの新しいモデルが、公式文書や研究が言及していた設計上の特徴を反映しながらも、従来の非公式な描画と非常によく似ていることだ。以下は、H-20の可能性のある構成の2つの非公式な描写で、どちらも最近のモデルと多くの共通点がある。
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一方で、懐疑的な見方にも価値があるのは確かだ。中国には、完成品と別のコンセプトを発表してきた長い実績があるだけでなく、特にH-20を取り巻く機密性の高さから、国家公認か非公式かを問わず、偽情報のターゲットになる可能性がある。
The War Zoneは、この模型の画像をいち早くSNSで公開した中国航空分野の専門家、アンドレアス・ルプレヒトAndreas Rupprechtに話を聞きました。
ルプレヒトは、模型はH-2関連の公式設計研究と何らかの関係があると思うと語った。しかし、最終的な爆撃機に至るまでには複数の研究があったはずで、これはその一つに過ぎず、却下されたものだとも考えられると指摘したことが注目に値する。実際、H-20では亜音速全翼機形状と超音速デルタ翼の両方が検討され、明らかに前者が勝利したことを示唆する証拠がある。
布に覆われたH-20と推定されるAVICティーザー動画(2018年)。中国の次世代爆撃機は全翼機形状になると予想されてきた。AVIC
「たとえこれが最終構成でないとしても、最も興味深いものを掴んでいると思います」とルプレヒトは語った。また、ルプレヒトは、J-20ステルス戦闘機の風洞モデルを示す画像が、最終形状を見た数年前に公開された前例があると指摘した。このとき、J-20は模型と「そっくり 」だった。「これが本当にH-20でも、あるいは少なくとも初期のテストモデルであっても、驚かない」とルプレヒトは付け加えた。
風洞実験機は、アメリカ空軍のステルス爆撃機B-2スピリットをコピーしたものであることが明らかになっている。当時は、これがH-20との推測もあったが、代わりに米航空機の品質をテストし、特にそのステルス形状をよりよく理解するため設計されたモデルであったかもしれない
初期のの風洞実験形状は、B-2の直系クローンにかなり近い印象を受けた。中国のインターネット
これらの最新モデルに関して、描かれている機体は、鋭角な機首と顕著なクランク翼と相まって、飛行翼と混合胴体のハイブリッドデザインのようだ。実際、それは最近のロシアの特許に見られるプランフォームに類似しており、同国が発売予定のツポレフPAK DA爆撃機と強い関係があるのかもしれない。
PAK DA の構成を示すと思われる最近の特許文書からの図面。 yandex.ru
ロシア特許と同様に、新しい中国のモデルは、X-47BやロシアのS-70 Okhotnik無人機に見られる「クランク・カイト」レイアウトを連想させる、翼の外側部分が狭いのが特徴だ。
過去にはZ-10攻撃ヘリコプターの開発初期など、中国とロシアの航空宇宙設計局間で交流があったが、次期爆撃機プロジェクトで両国が何らかの協力関係を築いた形跡はない。
また、双発のロシアのPAK DAと対照的に、中国モデルは4発のパワープラント・コンセプトを示しているように見える。エンジンは、左右の翼胴上面にあるインテークから供給されるが、これはB-2ステルス爆撃機に使用されているものと酷似しており、上面の鋸歯状リップまでそっくりだ。エンジン排気口もB-2の排気口とよく似ており、赤外線シグネチャの抑制に適している。
グアムのアンダーセン空軍基地付近で訓練中のB-2スピリット爆撃機が、KC-10エクステンダーから燃料を受け取る。 U.S. Air Force photo/Senior Airman Melissa Perry
しかし、このモデルで奇異なのは、翼の後縁に折りたたみ式の垂直尾翼が見られることだ。今回の画像では、双尾翼が折りたたまれて翼と平らになっているものもあれば、盛り上がりYF-23同様のV字尾翼になっているものもある。この尾翼についても様々な憶測が飛び交っているが、大型全翼機で長年の課題であった安定性の確保用のものである可能性が高い。尾翼は低速時や操縦時に展開され、方向安定性を維持するのに役立つのだろう。
実物大を含む模型が、すでに中国当局に示されている可能性が非常に高いことがわかっている。例えば、昨年10月には、マイクロブログサイト「微博」に、「特殊型」の航空機のモックアップを納入したとする画像が投稿された。XACのCEOとチーフデザイナーが写っていることから、このモックアップがH-20であることが強く示唆されている。また、昨年7月には、モックアップが完成したことを示唆する未確認情報もあった。
H-20の画像を辛抱強く待つ向きは、現実に即しているかどうか不明の短いビデオティーザーでやり過ごすしかなかった。前述のAVICのビデオと同様に、2021年1月には、人民解放軍空軍(PLAAF)の採用ビデオに新型爆撃機の公式レンダリングが登場した。コンピューター作成の機体画像は防水シートで隠されていたが、米空軍の現行ステルス爆撃機B-2や今後登場するB-21レイダーと類似している。
2021年初頭に公開されたPLAAFのリクルートビデオに登場する、H-20と想定される飛行翼型航空機のCGレンダリング。 YouTube capture
H-20試作機の初飛行が近いという中国の共産党系メディアの報道が正しいとすれば、この段階で関連画像がリークされても全く不思議ではない。J-20の前例があるだけに。
中国メディアの報道では、H-20についてオープンに語っているとは言え、今も婉曲的に「戦略的プロジェクト」と呼ばれている。
問題を混乱させているのは、中国が新しい低視認性爆撃機2機種を開発中とする米国情報機関による評価だ。報告では、戦略的なH-20と同様に、中型/中距離の地域爆撃機についても述べている。しかし、後者は小型双発機である可能性が高いと報告されており、大型化を示唆する新型機との直接的な関係は否定されているようだ。
各モデルが本当にH-20の外観を反映しているかを断言するのは現段階では時期尚早だが、同機の計画が秘密の覆いの向こうから少しずつ姿を現しつつあることは確かだ。■
Do These Models Provide A Glimpse Of China’s Future H-20 Bomber? (Updated)
BYTHOMAS NEWDICKAUG 22, 2022 3:53 PM
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