2026年11月2日月曜日

米海軍艦艇の長期展開が状態化しており、艦艇の補修補給だけでなく乗員の休養で思わぬ弊害が現れている―ディエゴガルシア島の事例

 

長期展開する米海軍艦艇が艦艇・人員を疲弊させている

The port-call situation is wearing out Navy warships

ディエゴ・ガルシア島は、イランと戦う艦艇にとって唯一の安全な場所だが、艦艇に必要な整備を提供できない

これまで中東への寄港といえば、バーレーンでのモヒート飲み放題のブランチ、ドバイの巨大ショッピングモールの屋内スキー場での滑走、あるいはカタールでの砂漠サファリなどを意味していた。しかし、8ヶ月前に「エピック・フューリー作戦」が始まり、同戦域に展開する米軍艦艇には、基本的に選択肢がたった一つしか残されていない。約2,500マイル離れたディエゴ・ガルシア島だ。

士気にはあまり良くないが、その影響は、インド洋に浮かぶこの英国領の島で釣りに飽きて不満を募らす水兵だけにとどまらない。この人里離れたサンゴ環礁には、ペルシャ湾、地中海、太平洋の多くの港が提供できる埠頭インフラがない。海軍が長期展開や少ない寄港で艦隊を酷使するにつれ、戦闘艦艇は航海中の重要な整備を受ける機会を失いつつある。

「艦艇が名目上の7か月の展開期間を超え海外展開されると、艦上の装備が故障したり、摩耗したり、消耗する時間が長くなる。その結果、艦艇がやっと米国に戻ると、配備期間が7ヶ月を超えたため通常より多くの整備や修理作業が必要になる可能性がある」と、議会調査局(CRS)で40年以上にわたり海軍アナリストを務め、今年退職したロン・オロークは述べた。

「それにより、整備や修理にかかる時間とコストが増加する可能性がある。また、作業に要する時間が長引くことで、その他艦艇が予定通りに整備やオーバーホールに入れない事態も生じかねない。これが他の艦艇の整備遅延という連鎖反応を引き起こす恐れがある」

海上安全保障に精通した海軍士官もこれに同意し、「展開中の艦艇であっても、桟橋や補給艦に直接係留して『航海修理期間』と呼ばれる時間を確保し、故障箇所の修理、錆の除去、塗装などを行う必要がある」と指摘した。「こうした艦艇が10~12ヶ月も外洋に留め置かれると、予定されていたその他整備作業を欠くことになり、帰港時には本来あるべき状態よりはるかに損傷が進行していることになるだろう」

海軍自身も、空母「エイブラハム・リンカン」に関する最近のプレスリリースの中でこの問題に言及している。同艦は、約11か月に及ぶ展開を終え、遅れていたデポレベル整備を受けるため、母港を変更することになった。

「定期的なデポレベル整備は、海軍艦艇の供用期間を最大限に延ばし、艦隊の戦闘能力を維持し、近代性を保ち、国家を守る準備を整えておくものである。」

リンカンの321日間の展開――それに先立つジェラルド・R・フォードの326日間の展開――は、それぞれ連続航海日数と展開期間の記録を更新した。しかし、アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦は、こうした数字を大幅に上回る見込みだ。また、海軍当局は横須賀に残る家族に対し、当面の間、すべての艦艇が10~12ヶ月間の展開を行うことを想定しておくべきと伝えている。

海軍の広報担当は、「具体的な戦備率、作戦要件、戦力配分の検討、あるいは将来の戦力移動については言及しない。しかし、我々は海軍艦艇の耐用年数を最大化し、艦隊の戦闘能力を維持し、国家を守る態勢を整えるための定期的な整備に引き続き取り組んでいる」と述べた。

「品切れだ」

ドバイやバーレーンといった寄港地で水兵たちが利用できる高級ホテルや数百軒ものレストランとは対照的に、ディエゴ・ガルシアには軍用補給基地と、レストランが数軒あるだけの小さな町がある。また、この地域に展開する艦艇のほぼすべてが、同島を寄港地や補給拠点として利用しているため、店の棚に常に商品が並んでいるとは限らない。

1月に日本を出港した誘導ミサイル駆逐艦「ジョン・フィン」は、数ヶ月に及ぶ航海を経てディエゴ・ガルシアに入港した。

「艦内売店に行くと品切ればかりなんです」と、ある水兵の配偶者が本誌に語った。「アイスクリームなら見つかるけど、日常生活に必要な日用品が手に入らないんです。」

その配偶者によると、同艦はイラン作戦で武器をすべて使い果たしたため、「弾薬が尽きた」状態で入港したという。「だから、一週間は補給に費やさなければならなかったのです。」

別の誘導ミサイル駆逐艦「マスティン」に乗船する水兵の配偶者は、4月に日本を出港して以来唯一の寄港の際、基地売店で夫が靴下は手に入れたものの、靴磨きは手に入らなかったと語った。

「すぐ必要なものを手に入れられるようと下船したのに、『何もなかった』と言っていた」と彼女は語った。「何もなかったのよ」

本誌取材に対し、その配偶者は、マスティンの乗組員にとって、この寄港は数ヶ月にわたる航海からの待望の休息に思えたが、下船直前に、当初の予定通り8月に帰還せず、2027年4月まで展開を継続することになったと告げられたと語った。

「悲しいことに、皆は上機嫌だったんですが」と彼女は語った。「でも、入港の前日にその悪い知らせを伝えられたせいで、ディエゴ・ガルシアでは本当に騒がしい事態になったと聞いています……。ディエゴ・ガルシアでのある夜、水兵2人がアルコール中毒で救急搬送される事態になりました。そのせいで、彼らは最後の外出許可の夜を棒に振ってしまったのです」

オロークは、この英国領の島について、「しばらく陸上に滞在し、ある程度の休息・娯楽(R&R)活動を行う機会は提供してくれる。しかし、ディエゴ・ガルシアでR&Rを楽しむ選択肢は、シンガポールや地中海沿岸の港など他の寄港地に比べてはるかに限られている」と述べた。

パシフィック・フォーラムのラルフ・コッサ会長は、より率直な意見を述べた。「もしこれが10ヶ月間で得られる唯一の休息・娯楽なら、私を撃ち殺してほしい」と彼は語った。

郵便の遅延

水兵たちは家族や友人に物資を送るよう依頼しているが、郵便が駆逐艦に届くまでに3ヶ月から6ヶ月かかっていると、配偶者たちは語った。

マスティン乗組員の配偶者は6月末に夫に6箱送ったが、夫は9月に1箱を受け取り、残りは10月に届いた。ジョン・フィンの配偶者は、小包数個が夫に届くまでに4ヶ月かかり、中には「届くまで6ヶ月以上かかったものもあった」と語った。

「夫に同じものを3回も送ってしまった気がする。まあ、そのうちの一つが今後2、3ヶ月以内に届いてくれればいいし、残りがいつ届いても、とにかく山ほどあることになるわね。誰かと分け合えばいいわ」

両配偶者とも、郵便の遅延を踏まえ、今後の選挙で水兵たちが投票できるかどうかについて懸念を表明した。ジョン・フィン乗組員の配偶者によると、過去に何度も派遣経験のある夫は、「投票についての話しは一切ない。そんな時間がないからだ。そもそも誰もやりたくないような雑用で忙殺されており、話し合う時間すらない」と語ったという。

対照的に、空母「ジョージ・ワシントン」に乗艦する水兵たちは、概して「米国本土から送られた郵便物は数週間以内に届く」と、同艦の広報担当であるボビー・ディクソン中佐は本誌に語った。「ただし、海外展開の場合は、これより時間がかかることもある。我々は兵站チームと連携して郵便の遅延を最小限に抑え、すべての軍人が投票権を行使できるよう尽力している。」

整備

海軍艦艇は、他の乗り物と同様に、稼働を続けるためには一定程度の整備が必要だ。修理には、基本整備、中間整備、デポ整備の3レベルがある。

展開中の艦艇は、塩水や海風による負荷にさらされており、長期間にわたり頻繁に使用されると、摩耗や破損が生じやすくなる。また、横須賀を拠点とする前方配備の駆逐艦――「ジョン・フィン」や「マスティン」など――は通常、数ヶ月間海上任務に従事した後、数ヶ月間の整備のため母港に戻るサイクルで運用されてきた。

しかし現在、これら2隻の駆逐艦は海上任務に1年以上もつく予定となっており、その結果、予定されていた5ヶ月間の造船所での整備期間の開始時期を逃すことになる。また、マスティン乗組員の配偶者によると、同艦は展開に向けて出航する直前に、母港をカリフォーニア州サンディエゴから横須賀に移したが、その時点で整備上の問題を抱えたままだったという。

「整備記録は100%空欄ではなかった」上、「整備のため帰港すべき」事項が数多くあったと彼女は述べた。にもかかわらず、同艦は日本へ向かうよう指示された。

また、乗組員たちには、唯一の寄港地での停泊は整備を行うために計画されたものだと伝えられていたものの、「ディエゴ・ガルシアに行っても何も修理されなかった。……桟橋に接岸することさえなかった」という。

オロークは、中間整備およびデポ整備の遅延には結果が伴うと述べた。

「海軍全体の海外展開比率が、想定モデルで定めた水準を上回る状態が一定期間続けば、その先には代償を払わざるを得なくなる時期が訪れる。つまり、前の期間の不足分を補うために、展開可能な海軍の割合が想定モデルで定められた水準を下回ることになる」。

これは新しい問題ではない。

「数年前、海軍は通常水上艦の整備において窮地に陥った。その一因は、作業の計画、スケジュール、資金調達が過小評価されていたことにある。それ以来、海軍は長年にわたり、通常水上艦の整備におけるこの窮地から脱却しようと取り組んできた。艦艇の長期展開による艦艇の整備・修理スケジュールの乱れは、海軍がその窮地から脱却するという課題をさらに困難にする可能性がある」とオロークは指摘した。

海軍は艦艇で必要な整備を行わなければならない。しかし、海軍がこれほど多くの艦艇を作戦地域に展開し続けている限り、それが実現する可能性は低いと、別の海軍専門家は指摘した。

「その結果、先送りされた整備はさらに深刻な問題となり、部品や装備が予定より早く摩耗したり破損するといった連鎖反応を引き起こすのです。結局、これらの艦艇は予定された退役時期よりずっと早く、耐用年数を迎えてしまうことになるだろう。」■


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