2014年9月3日水曜日

台湾が対中国ミサイル防衛に重点投資



再び台湾のニュースです。新型迎撃ミサイルと言うものの、ご覧のように小型ミサイルでこれで大丈夫なのかと心配になるくらいですが、電子工業の発達した台湾ですので、性能は確かなのでしょう。またかえって大型化すると中国を刺激することになるのかも。そこらあたりに台湾の知恵が見えますが、かつては海峡を挟み軍事優越を維持してきた台湾がここまで追い込まれているのでしょうか。



Taiwan to spend $2.5 billion on anti-missile systems

Aug. 30, 2014 - 04:17PM   |  
By AGENCE FRANCE-PRESSE   |   Comments
(CORRECTION) Taiwan for the first time u
台湾が2007年軍事パレードで初公開した天弓3ミサイル。 (PATRICK LIN / AFP/Getty Images)

TAIPEI — 台湾は今後9年間で748億台湾ドル(25億米ドル)を投じミサイル迎撃システムを構築し、中国への防空体制を固める。
  1. 台湾国防部は現地開発の天弓 Tien Kung 3 (Sky Bow 3)地対空ミサイルを2015年から2024年までに旧式のホークミサイルと更新する。実現すれば台湾国産装備の調達として最大規模になる。

  1. 天弓3を開発したのは中山科学技術院 Chungshan Institute of Science and Technology で戦術級弾道ミサイルとミサイル迎撃に対応した仕様。1996年から開発を開始し200億台湾ドル以上を投入したといわれる。天弓3は2007年の軍事バレードで初めて公開され、2011年度のミサイル演習でテストされている。

  1. 蘋果日報Apple Daily によれば前国防部長高華柱 Kao Hua-chu が天弓3で中国巡航ミサイルへ対抗が可能で、J-20ステルス戦闘機にも対応し、台湾の防空能力向上につながると発言している。

  1. 台中間の緊張は馬英九 Ma Ying-jeou の総統就任(2008年)から一気に緩和しており、親中路線を取る馬は2012年に再選されている。

  1. とはいえ、中国は台湾を自国領土の一部と認識し、再統一の機会を待っているが、必要なら力で達成する構えだ。

  1. 台湾の専門家の試算では台湾に照準を合わせる人民解放軍のミサイルは1,600発を超えるという。台湾国防部関係者のコメントはいまのところ得られていない。■


2014年9月2日火曜日

英空軍向けA400M一号機初飛行、引き渡し近づく



RAFはC-17も運用中ですね。中東や中央アジアへはC-17、アフリカなどヨーロッパから近い目的地にはA400Mと使い分けるのでしょうか。日本のC-2は開発が遅れるうちに、輸送機市場はどんどん進展していきます。



Royal Air Force A400M Makes Its Maiden Flight

Sep. 1, 2014 - 01:59PM   |  
By ANDREW CHUTER   |   Comments
MAIDEN VOYAGE: The first Airbus A400M new generation airlifter ordered by the Royal Air Force has made its maiden flight, marking a key milestone towards its delivery. The aircraft, known as MSN15, took off from Seville, Spain, at 14:25 local time (GMT+1) on 30 August and landed back on site 5 hours and 5 minutes later.
英空軍向けA400M一号機が初飛行。8月30日スペインで現地時間14:25に離離陸し5時間5分後に着陸している。 (Media Airbus Defence And Space)

LONDON — 英空軍向けエアバスA400M一号機が初飛し、英国は同輸送機の運航国三番目に一歩近づいた。
アトラスの呼称を与えている英空軍(RAF)の一号機はスペイン・セルビアを8月30日離陸し、5時間の初飛行を実施。
さらにテスト飛行が今月後半に予定され、エアバスによれば同機は今月末に引き渡される。
英国防省はフランスと製造スロットを交換しており、今回の引き渡しは当初の計画より早くなる。
英国の発注数は22機で、今年中に4機が引き渡される。
現時点でフランスとトルコが同機を運航中。フランスへは4機、トルコへ1機引き渡しずみ。■



2014年9月1日月曜日

第六世代機: 海軍版に人工知能搭載か





第六世代機に関心をお持ちの層は多いようですね。五月雨式にニュースが出てきますので都度ご紹介することにいたします。今回のソースは海軍協会なのでF/A-XXの視点が中心になっていることは勘弁ください。





Navy’s Next Fighter Likely to Feature Artificial Intelligence

By: Dave Majumdar
Published: August 28, 2014 3:56 PM
Updated: August 28, 2014 3:56 PM
Boeing concept for F/A-XX. Boeing Image
ボーイングのF/A-XXコンセプト . Boeing Image


ペンタゴンが企画中のボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットおよびロッキード・マーティンF-22ラプターの後継機種には人工知能が大幅に搭載されるようだ。
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  1. スーパーホーネット後継機となる海軍のF/A-XXは2030年ごろの配備を目指す。
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  1. 米空軍の次期戦闘機F-XはF/A-XXとは相当異なる機体になるが、両軍で共通部分の基本合意ができている。

  1. 「PNT(Positioning, Navigation and Timing 位置調整・航法・時限調整)や通信、ビッグデータ処理で海軍、空軍の合意ができた」と海軍関係者が述べている。

  1. ただし人工知能(AI)含む高度技術内容がどれだけ戦術戦闘機の任務達成に貢献するか不明だ。とはいえ、AIはF-22や同じロッキード・マーティンのF-35で搭載しているセンサー統合のコンセプトに通じパイロットにとってはなじみやすいかもしれない。

  1. ただし海軍、空軍ともに技術的に遠大な目標をもつものの、現実には相当の溝がある。
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  1. 海軍、空軍はシリコンヴァレーのハイテク産業の助けを借りて第六世代戦闘機を実現しようとしている。8月27日にマイク・ホステジ空軍大将Gen. Mike Hostage(航空戦闘軍団ACC司令官)が「イノベーションサミット」と称する会合をカリフォーニア州モフェットフィールドで開催している。ねらいは新規の発想を制空権確保に活用すること。.

  1. F/A-XXの初期性能説明文書 initial capabilities document (ICD) はペンタゴン内部の手続きで埋没している。海軍は新型戦闘機案の最終決定前で重要な工程となる代替手段分析 analysis of alternatives (AOA) を2015年に開始する。■



2014年8月31日日曜日

H27概算要求に見る日本の防衛力整備のポイント



世界の中で例外的に冷戦構造の残るこの地域内で日本が十分な防衛力を有し、安定を守ることは「軍国主義」でもなんでもありません。国民として防衛力の整備、それで何を目指すのかを見守る義務があるでしょう。本ブログではISRの意義、装備についてご紹介していますが、やっと日本でもISRが前面に出てくるようになってきましたね。うれしいことです。






Japanese Defense Ministry Requests 2.4% Budget Hike

Aug. 28, 2014 - 03:45AM   |  
By PAUL KALLENDER-UMEZU   |   Comments
More Muscle: A Japanese Atago-class guided missile destroyer sails in formation with US Navy and Japan Maritime Self Defense Force ships. Japan initially wants to add two of the destroyers.
あたご級誘導ミサイル駆逐艦が米海軍と併航している。日本はあたご級2隻を追加建造する (MC2 Adam Thomas/ / US Navy)
TOKYO — 日本は防衛力を整備し、近隣諸国が危険ににさらされれば援助の手を差し伸べるとの公約を着実に実現している。防衛予算規模を90年代のピーク時程度にもどそうとしている。
  1. 防衛省の2015年度概算要求は2.4%増の4.9兆円(472.5億ドル)で2000年代の減少傾向を反転させるもの。東アジアで不安定さが増していることを理由に防衛省は喫緊の課題は情報収集・監視・偵察能力(ISR)の向上、海上監視と弾道ミサイルへの対応を強調しつつ、南方島嶼部への侵攻を未然に防ぐこともとりあげている。

  1. 支出で最大規模は川崎P-1哨戒機20機を2018年度開始2021年までに調達(3,781億円)すること。二番目があたご級イージス駆逐艦2隻の追加で2020年度末までにイージス艦を8隻体制にする。

  1. 三番目が1,315億円でF-35A6機を航空自衛隊に調達する予算だ。なお、同機は今年度予算で4機分の調達予算を計上している。

  1. この4.9兆円は正面装備だけの金額で、次期政府専用機導入や事務経費、米軍再配備関連を含めると5.05兆円になる。

  1. 防衛を巡る思考の変化も反映しており、㍻26年度防衛白書では「高圧的な行動」と「力による現状変更の試み」を批判し、中国が昨年11月に一方的に東シナ海上空に防空識別圏を設定したことで警戒を高めている。

  1. 白書では北朝鮮を「域内のみならず国際社会にも大きな不安定要因」として、KN-08移動式大陸間弾道の名称をはじめて明記した。

  1. そこで防衛省は航空宇宙研究開発機構(JAXA)と連携して宇宙配備弾道ミサイル早期発見能力を整備するとし、今後打ち上げられるJAXAの光学偵察衛星に赤外線センサーの実験モデルを搭載する。

  1. 離島防衛と域内軍事活動の偵察でISR能力整備が最優先事項となり、防衛省はグローバルホークUAV3機を導入し空からの監視探知能力を拡充する他、中国海軍を監視する衛星群の整備提言を宇宙開発戦略本部から受けている。
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  1. 陸上兵力では小規模ながら揚陸戦能力の整備がはじまっており、空では83空を解体し、沖縄に9空を編成する。また303沿岸監視部隊を前方配備する。

  1. 航空自衛隊では主力戦闘機F-15の近代化、F-2の空戦能力向上努力を続けるが、F-35に過剰な期待をするあまり将来の戦闘機部隊整備が不足するのではないかとの指摘もある。日本戦略研究フォーラムの研究員は匿名を条件に、「日本はF-35に期待をしすぎており、F-35さえあれば航空自衛隊が制空権を確保できると考えている。たしかに制空権は軍事活動を成功裏に行なうための条件だが、現状の日本には戦闘機ギャップがあり、F-35が来るまでは日本周辺で航空優勢を維持するのは難しい」と語っている。

  1. ISRや宇宙配備ミサイル監視、さらにヘリコプター搭載用の新型対潜ソナーなど新規研究開発に着手しているが、日本の防衛予算は2003年の4.6兆円が2012年に4.6兆円となった一方で中国は4倍増としており、遅きに失したと指摘する向きもある。

  1. 太田文雄は海上自衛隊の退役海将で情報本部長も務めたが、予算増でも員不足のままと指摘し、中国が弾道ミサイル潜水艦を増備し抑止力を整備する琴への対応策を今から考えておく必要があると語っている。■



シンガポール空軍F-15SGの現況 シリアルナンバーで保有機数を推測する


ここまで秘密を守れるとはシンガポールはすごい国ですね。機体番号と資料からシンガポール運用する機数が判明しましたが、さぐりあてた著者にはご苦労様としかいいようがありません。なお、シンガポールもF-35の採用を検討していると言いますが、近隣諸国を見てもF-15SGで当面大丈夫なのではないでしょうか。

Singapore Quietly Expanding Fighter Force

By: Mike Yeo
Published: August 25, 2014 4:02 PM
Updated: August 25, 2014 4:02 PM
シンガポール共和国空軍所属のF-15SGイーグルがオーストラリアのダーウィン空軍基地から離陸。Pitch Black演習(2014年8月)に参加し、GBU-38共用直接攻撃爆弾(JDAM).を投下した。 Mike Yeo Photo

シンガポールが運用するボーイングF-15SGは公称24機だが、実は同型機を32機保有しており、さらに40機に増設する動きがあると判明した。

  1. マラッカ海峡と言う戦略的な立地条件のシンガポールは地域内安全保障で重要な役割を担い、合衆国とは安全保障、国防で密接な関係にある。

  1. 米国務省の国防交易管理局 Directorate of Defense Trade Controls から議会提出ずみの書類(2012年11月26日付)にシンガポールがF-15SGを8機追加発注しており、全24機になるとの記載があった。契約は直接商業販売 Direct Commercial Sales (DCS)でボーイングに発注されており、2011年末までに納入されている。そのうちの一機が2012年のシンガポール航空ショーに展示された。

  1. ショー会場でボーイングのF-15担当副社長(当時)ロジャー・ベサンセネス Roger Besancenez がF-15SGの最終納入は2012年第四四半期と明らかにしており、ボーイングからも同年にF-15が8機国名不詳の相手先に引き渡されたと発表していた。

  1. F-15SGには米空軍と同様のシリアル番号をボーイングの製造番号をもとに表示している。シンガポール空軍のF-15SGは一部マウンテンホーム空軍基地の428戦闘機飛行隊とともにパイロット訓練用に配備されている。その機体にはシリアル番号を尾翼にも記載しているが、シンガポール配備のF-14SGは4ケタで全く違う番号が表示されている。

  1. 2013年10月の写真では05-0025、05-0029 、05-0030 の番号を付けた機体がアイダホ州での演習に参加しているが、同年12月には05-0028、05-0032の機体がアリゾナ州でシンガポール陸空軍が共同で実施した実弾発射演習に参加している。

  1. 一方でシンガポール配備の機体では8331と8332の番号が製造番号を隠した形で視認されている。

  1. また8331の機体がオーストラリアで最近行われた演習に参加しているのをUSNI Newsは目撃している。その機体ではテープが一部はがれ末尾の「26」が確認できた。総合するとシンガポールはすでに32機のF-15SGを導入済みのようだ。
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  1. 8月5日から6日にかけボーイングは連邦航空局に対して8機分の民間機登録を抹消申請をしており、機体はF-15SGであると説明している。これが追加発注分だとするとシンガポールは国内にF-15SGの第二飛行隊を新設し、ノースロップF-5S/TタイガーII迎撃機と交代させるつもりなのだろう。

  1. シンガポールは軍事関連で秘匿の傾向が強く、F-15を何機保有しているのかさえ口外していない。ボーイングも口を閉ざしている。

  1. サウジアラビア向けF-15SAが引き渡されるまではF-15SAが最高性能のF-15のままで、レイセオン製AN/APG-63(v)3アクティブ電子スキャン方式レーダー、AIM-9Xサイドワインダーミサイル、AIM-120C高性能中距離空対空ミサイルで空中戦を、GBU-10/12ペイブウェーIIレーザー誘導爆弾とGBU-31/38/54共用直接攻撃弾(JDAM)を対地攻撃用に搭載する。またシンガポールはAGM-154共用スタンドオフ兵器も調達済みと広く信じられている。■

2014年8月30日土曜日

★★注目されるアイアンドームの迎撃実績 ミサイル防衛でさらに一歩先を進むイスラエル



なぜかイスラエルに関する報道では軍事面の分析が見られない日本ですが、アイアンドームが目論見通りの成績をあげたことで今後は大いに注目されるのではないでしょうか。パスレスチ側が一層追い詰められると今回のようにロケットといっても手製のお粗末な兵器を高価なシステムで迎撃するという経済学的には不合理な非対称戦になりそうですね。



Iron Dome Blunts 90% Of Enemy Rockets

Overall, Iron Dome missile deflection proves effective through 50 days of conflict
Sep 1, 2014Alon Ben David | Aviation Week & Space Technology
Credit: Zeev Stein
ガザ回廊を巡るイスラエル対パレスチナ抗争でアイアンドーム防空システムの成功事例があきらかになっている。合計735回の対ロケット、迫撃砲迎撃で90%近い成功率をあげている。
  1. ガザから発射されたロケット・迫撃弾は50日間で合計4,594発で、この内アイアンドームの迎撃失敗は70発にとどまる。アイアンドームの配備地区でイスラエル市民に死傷者は発生していない。この運用実績は米国で同システムの有効性を巡り疑問が出ているのと好対照だ。

  1. 「前例のない大きな戦略的成果になった」とイスラエル国防相モシェ・ヤーロン Israeli Defense Minister Moshe Ya’alon がAviation Weekに語っている。「アイアンドームはハマスの中長距離攻撃をほぼ無効にした」とイスラエル空軍高官も付け加える。「迎撃735回で数十名のイスラエル市民の生命を未然に守れた」

  1. イスラエルはガザ侵攻の前に人口集中地区にアイアンドーム6個部隊を配備した。さらにメーカーのラファエル高度防衛システムズ Rafael Advanced Defense Systems が完成直後の3個隊を納品していたので合計9隊で数千のミサイルに対応できた。さらに戦闘期間中に第10番目の装備も納品されたが操作員不足で稼働できなかった。

  1. パレスチナ側ではハマスとPIJ(パレスチナイスラム聖戦軍)が9,000発ものロケット弾をかきあつめており、そのうち1,000発は122-mmロケットで有効射程距離は 45 km、200発はM75 8インチロケット弾( 75 km)だった。その他の大多数は短距離弾。またシリア製の302-mmロケットR160(100 km以上)も持っていた。
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  1. ただしエジプトからガザに密輸された標準生産品は少数。エジプトではアブド-アル-ファタ・ア-シシ大統領Abd Al-Fatah A-Sisi,が権力を握った2013年7月以後にガザ密輸トンネルを多数破壊したので、パレスチナ戦闘員はロケット等を自らの手で製作することを迫られた。即席ロケット弾の精度は低く、軌道も不安定でアイアンドーム操作員も混乱させられた。

  1. ロケットは多数発射されているが、そのうち人口集中地区に脅威となったのは25%で、殆どの場合は飛来するロケットに照準を合わせた「タミール」迎撃ミサイルが一対一で発射された。ただし大都市部がロケットの標的となった場合には二発で対処させた。なお、タミールミサイルの価格は一発50千ドルである。

  1. アイアンドームは完全自動モードでも作動できるが、イスラエル空軍は手動とし、操作員が毎回数秒以内に迎撃判断を下すこととした。これが功を奏し、イスラエル国民の生活はほぼ正常どおりで推移した。ただし、操作員の一人の過誤でイスラエルへの国際航空路線が一日半使えなくなった事例が発生している。

  1. ハマスはベン・グリオン国際空港攻撃を狙っていた。7月22日にロケット一発が発射されたが、アイアンドーム操作員が探知し、迎撃しない選択をしたのは民間航空への影響を恐れての事だった。結局、このロケットは空港から1Km離れた地点に落下し、その後FAAは米系エアライン各社にイスラエル便の運航停止を命じた。

  1. これに対しイスラエルは欧米各国にロケット攻撃とアイアンドームによる迎撃で民間航空への影響は「無視できる範囲」と説明し、「イスラエル空軍の分析ではランダムに発射されたロケット弾が飛行中の航空機に命中する可能性は10億分の一」とイスラエル民間航空局(ICAA)のジオラ・ロム Giora Rom 局長が各国へ書簡を送付している。さらにベングリオン国際空への航空路をアイアンドームの稼働範囲から分離する調整も行っている。その結果、エアライン各社は36時間後にイスラエル便を再開した。ただし大韓航空は例外。

  1. アイアンドームの作動条件は民間航空の運航を前提としており、アイアンドームにより民間航空機が被弾する可能性はロケット弾の命中確率より低いという。

  1. パレスチナ側はイスラエル攻撃を続けたが、備蓄が低くなり標的をガザ近辺の農村に切り替えている。アイアンドームは配備されていないが、迎撃を試みている。

  1. アイアンドームの活躍でイスラエルの被害は最小限となったが、それでもアイアンドームは迎撃に失敗していると主張する向きがある。とくにマサチューセッツ工科大学の物理学者テッド・ポストルTed Postol は迎撃成功率は5%にすぎないとの研究結果を示している。

  1. 「ばかげだ主張です」と反論するのはイスラエルミサイル防衛機構 Missile Defense Organizationの前局長ウジ・ルービン Uzi Rubin だ。「もしそれが正しければ、4,000発ものロケットがイスラエルに発射されたのにアイアンドーム配備地区で死者がでていないのはおかしいでしょう。2006年のヒズボラ攻勢でもほぼ同数のロケットが発射されており、当時はアイアンドームがなく死者多数が出ています」

  1. 米議会もアイアンドームの効果を認め、225百万ドル追加支援を8月1日に承認している。この予算でアイアンドーム迎撃弾の追加調達ができ、これで米国による支出総額は13億ドルになった。

  1. ただしアイアンドームの効果が目立ちすぎて 負の影響も出そうだという。イスラエル国防関係者が言う。「これではイスラエルに被害が全然ない印象を与え、なぜイスラエルが戦闘に踏み切ったのか世界に説明できなくなる」■


2014年8月29日金曜日

インド首相訪日でUS-2の合意が成立するかが航空関係の注目ポイント


US-2では「輸出」を期待する日本と「共同生産」を求めるインドで温度差があるようで、議論好きのインドに日本がどこまで対応できるかがポイントになるでしょうね。その背景にはやはりUS-2の高価格があるのでしょうが、これまでの数十年の技術蓄積(戦前も入れれば80年以上?)と運用経験は簡単に安く提供できるものでもないでしょう。ともあれ、両国にとっても中国の影が大きな存在になっていることは間違いありません。

India-Japan Talks To Focus on Strategic Ties, Possible Aircraft Deal

Aug. 28, 2014 - 03:09PM   |  
By VIVEK RAGHUVANSHI   |   Comments
India and Japan will discuss the possible joint production of the Japanese company ShinMaywa's US-2 amphibious aircraft during Prime Minister Narendra Modi's Tokyo visit Aug. 30-Sept. 3.

NEW DELHI —インド首相ナレンドラ・モディ Narendra Modiの日本公式訪問では水陸両用機の共同生産はじめ両国の防衛協力の緊密化など戦略面で話し合われる見込み。
訪日は8月30日から開始し、モデイ首相は自ら訪日予定を一日延長している。20名ほどのインド産業界代表も同行するのはしインド新政権が日本との結びつきを重視しているあらわれとインド外務省関係者は解説する。
インドは日本はともに米国を入れた三カ国戦略協議の早期再開を提案している。日本政府が2009年以来議題に上っている同提案には慎重なのは中国への影響を懸念しているためだろうと同上関係者は言う。
これに対しインドは日米三カ国協議で中国の影響拡大を食い止めるねらいがある軍事専門家N.メータは言う。
訪日中に議題に上るのが新明和工業のUS-2長距離飛行艇の共同生産だろう。 4,500kmの航続距離を有するUS-2はインドの「戦略的権益」の保全に活用できるとインド国防省は見ている。
空軍関係者は同機をアンダマン・ニコバル諸島で運用すれば中国のインド洋沿海水域での作戦へのけん制が可能だと解説。
新型水陸両用機の導入に向けインド海軍と空軍からそれぞれ情報開示請求が2011年に発出されており、新明和工業、カナダのボンバルディア、ロシアのベリエフからそれぞ回答があった。しかし、モディ首相が今回の訪日期間中にUS-2共同生産の合意を取り付ければ、結局入札は行われないだろう。 ■