すごい。やはり国家の存続がかかった緊張状態を毎日続けて70年になる国は違いますね。イスラエルを敵に回したくないものです。
Meet the Israel Air Force unit that frankensteined a totaled F-15
F-15二機の使用可能部分をつなぎ合わせて一機再生してしまったイスラエル空軍
TEL NOF AIR BASE, Israel – ボーイングやロッキード・マーティンなど米企業がさじをなげたことをイスラエル空軍第22補給処が普通にやりとげてしまった。
- 2011年の事故でボーイングが喪失扱いと断念したF-15Bアローヘッドが飛行再開している。来月で事故から6年になる。事故は離陸直後にペリカンを空気取り入れ口に吸ったことで大火災が発生した。乗員2名は緊急着陸に成功したが、機体後部は完全に焼け落ち修理不可能と判定された。
- その後三年余り、機齢35年の同機の処遇で議論が続いていた。機体の前方部は無傷なのでコックピットとエイビオニクスは予備部品にすればよいという声が出た。そこに第22補給処が前方部分と20年間も「機体の墓場」に放置されたままの単座型F-15の後部と接合する提案をしてきた。
- 「その案が出たのでボーイングに実施可能か照会したが、答えは返ってきませんでした」と第22補給処の指揮官マキシム・オルガド中佐がDefense Newsに語っている。「再度同社に聞くと、冗談と思って真剣にしなかったと判明したのです」
- ボーイングは声明文で第22補給処との協力関係は40年続いており、イスラエル空軍F-15の即応体制維持の一助となっている「同部隊のプロ意識や能力の高さには敬意を払っており、教えられることもあり相互に恩恵が生まれている」と述べた。
- 第22補給処の航空機技術部門の責任者ハイム・ミルンゴフ中佐は16年間の同部隊勤務を振り返り、大損傷を受けた機体「7機か8機」を現場復帰させているが、すべて同社が全損判定していたという。
- 先のアローヘッド機の例で言うと尾翼番号の122は焼け落ちた機体の番号110と機体を再生した同部隊の番号を組み合わせているとミルンゴフ中佐は説明。「複座機をそのまま捨てるのはもったいない」
- オルガド中佐は総費用は百万ドル未満とし、部品代や人件費もすべて含んでの話だという。「同じ機体を調達すれば40百万ドルではすまないでしょう」
- 「他国なら廃棄して当然の機材を再生させる空軍は他にないでしょう。他国なら部品どり用ですよ。でもこれが本部隊の役目です。無駄な支出をする余裕はありません」
- 他にも無駄にできないのは時間だ。機体が毎日第22補給処にあれば作戦機材の即応体制が低いことになる。そのため第22補給処はボーイング、ロッキード、ベル他米メーカーとの連絡を欠かさない。
- メーカー案が空軍が設定した補修時間を超過すれば同部隊に1,300名ほどいる技術陣、機体構造専門家、ソフトウェア技術者等が解決のための次善策を探る。
- 「ロッキード、ボーイング両社とはいつも相談しています。知識の共有は合意事項であり、わが軍将校も米国に駐在しています。世界で機体をここまで過酷に取り扱う国はなく、欠陥が最初に出てくるのがここなんです。メーカーが先に問題を見つける場合を除けば、自分で解決策を見つけなくてはいけません」(オルガド)
- 中佐は別の例を出してくれた。2014年のガザ戦役でロッキードF-16のバルクヘッドに亀裂が発生した。「ロッキードは安全情報を出して、亀裂の点検前に燃料をすべて取り出せと伝えてきました。それだと一機に一か月かかります。全機点検すれば何年もかかります」
- そこでロッキードの連絡のかわりにオルガド中佐のチームは超音波試験装置で空軍の同型機すべての点検を三週間たらずで完了した。「われわれの解決策では分解作業を省略できました。一日で4機5機が点検できました。全機検査がおわると対応が必要な機材を対応の優先順位づけし、残りの機材はそのまま飛ばせました」
- だがそこで終わりではなかった。オルガド中佐によればロッキード・マーティンは亀裂が8ミリ以上見つかったバルクヘッドは交換の必要があると技術情報を改訂した。その場合該当機はバルクヘッド交換だけで18か月にわたり運用できなくなる。
- 「たしかにそのような亀裂は一部にありましたが、分解交換はしなかったです。かわりにハイムの部隊が補修方法を確立しました。メーカーは補修は不可能と言っていましたが、ハイム中佐の補修は効果があるだけでなく基地で実施できる点が大きいのです。補給処まで機体を移動する必要はないんです」
- 「そこで2014年7月にイスラエル空軍司令官アミール・エシェル処す砲が戦闘中の飛行隊基地を視察すると、即応体制が100パーセントになっていました。司令官は現地からこちらに電話をかけ当部隊の保全補修機能の高さを評価してくれました。もしメーカーの言う通りに補修を待っていたら飛行隊は戦闘に投入できなかったでしょう」
- ロッキード・マーティンはこの件について論評を避けている。
- イスラエル空軍に導入が始まったロッキードF-35アディール・ステルス戦闘機について、オルガドは第22補給処がここテルノフ基地内に大規模整備施設を建設中だ。一般的な保全活動は砂漠地帯の基地でもできるが、大規模整備は当初予定のイタリアではなくテルアヴィヴ南部のここでおこなうのだ。
- 「イタリアにもどこにも行きません。絶対に。各機はイスラエルに残します。いつ必要になるかわかりませんからね」(オルガド中佐)■
凄い… ただただ凄いです
返信削除凄いですね、そして本邦も
返信削除外観こそあまり破損が無かったものの津波で流されて電子系統をはじめとして通常なら用廃になる
F-2Bを当初の検査では修復可能な機体は6機程度だったのを13機までの修復が実現した技術者
の方々も凄いと思います。