イスラエル空軍は、めったに見ることのできない707タンカーの給油補助装置リモート・ビジョン・システムの姿を公表した
IDF screencap
イスラエル国防軍(IDF)が、イスラエル空軍のボーイング707タンカーでこれまで極秘だったリモートビジョンシステムをさらに詳しく紹介している。本誌は以前にも、ブームオペレーターがブームと受信機を接続する際に、航空機の後方で何が起こっているかを確認するために使用するこのシステムを紹介したことがあるが、実際のオペレーター・インターフェースをこれほど詳細に見られることはなかった。
新しい画像は、707タンカー(現地ではオリックスを意味するヘブライ語のRe'emという名で知られている)をフィーチャーしたIDFの公式ビデオの一部で、60周年に合わせて公開された。映像には、貨物倉の燃料タンクやブームなどの詳細が映し出されている。内部タンクは取り外すこともでき、旅客機スタイルの客席を含む輸送機として再構成できる。 しかし、最も興味深いのは、リモート・ビジョン・システム(RVS)インターフェースを備えたブーム・オペレーターの位置だ。
イスラエルの707タンカーの貨物室の燃料タンク。. IDF screencap
これには左右のコントロールスティックと足で操作する通信システムが含まれ、ブーマーの両手はコンソールの操作に自由に使える。ブーマーのスクリーンは比較的大きく、周囲にアナログ計器が配置されている。
イスラエルの707タンカーの機内にあるRVSコンソール。.IDF screencap IDF screencap
本誌は2024年9月、イエメンのフーシ派の標的への長距離攻撃ミッションの一部を映したビデオで、リモートビジョンシステムの画面を見たことがある。
2024年9月に公開されたビデオでIDFが提供したレエムのRVSの様子。. IDF screencap
同年7月、707がイスラエル空軍のイエメン長距離空襲を支援した後、イスラエル空軍はRVSのカメラ映像そのものを公開していた。
全体として、イスラエルの707に使用されたコンソールは、現在アメリカ空軍のKC-46ペガサスに使用されている技術と魅力的な比較をすることができる。KC-46での技術は、複雑なリモート・ビジョン・システム(RVS)が同機プログラムの問題の原因であることが証明されているため、悪評に近くなっている。
707タンカーの尾翼についたイスラエルのRVS用カメラ。IDF screencap
IDFのビデオで見ることができるように、KC-46と同様に、イスラエルの707のブームオペレーターはメインキャビンのステーションから作業を行い、機体後部のカメラの映像がRVSにフィードされる。KC-46との主な違いは、KC-46では2D/3Dのハイブリッド・システムを採用して、オペレーターは特殊なメガネをかける必要があるが、707のRVSにはモニターが1つしかない。
KC-46Aのメインキャビンでブームオペレーターが専用メガネをかけてワークステーションに座っている。 U.S. Air Force
イスラエルのRVSに関する以前の報道で述べたように、この初期のコンセプトが何十年もの間、非常に重要な役割を果たし続けている一方で、米空軍はいまだにKC-46に搭載されるシステムの改訂を待っているというのは、驚き以外の何物でもない:
「KC-46に採用された米国版がいまだに遅延に陥っているのに対して、イスラエルは困難もなく機能すると思われるリモートビジョンシステムを開発し、何年も前に実戦配備している。 何年も前に導入されたこの古いイスラエル製システムの歯がゆさがどの程度だったのか、いまだに正確には分かっていない。一方、最新のリモートビジョンシステムも開発されており、エアバスA330マルチロールタンカー輸送機(MRTT)に導入されている」。
2023年3月20日、ネバダ州ネリス空軍基地で行われたレッドフラッグ-ネリス23-2のミッションのために離陸するイスラエル、ネバティム空軍基地の120飛行隊所属のイスラエル空軍707。 U.S. Air Force
皮肉なことに、707はKC-46に取って代わられることになる。イスラエルはKC-46を当初8機発注しており、次世代RVSの搭載はほぼ確実視されている。イスラエルはKC-46を補完するために、しばらくの間707の運用を継続することを決定するかもしれないが、これらは現在では老朽化したプラットフォームで、すでに退役している機体もある。
F-15戦闘機に給油するイスラエルのKC-46のレンダリング。. Boeing
IAFの707レエム・フリートに関しては、1979年に運用が開始され、それまでの707-100に代わって当時の新型機707-300が導入された。これらの機体は民間航空会社から購入された後、現地で空中給油用に改造された。改造はイスラエル航空宇宙産業(IAI)が行った。2010年代には、追加機体も購入され、タンカーにアップグレードされた。
イスラエル空軍が長距離攻撃を行うために不可欠な空中給油に加え、707は指揮統制局や通信ノードとしても重要な役割を担っている。 F-15やF-16のよう戦術機や、遠く離れた司令部と、重要で安全な見通し外通信を行うために、この航空機は衛星通信スイートを搭載している。これは長距離攻撃作戦においても非常に重要である。
ハツェリム基地上空でF15戦闘機への給油を実演するイスラエル空軍のボーイング707タンカー。 JACK GUEZ/AFP via Getty Images
現在、イスラエルで就航中の707タンカーは7隻に満たないと言われており、各機はこれまで以上に貴重なものとなっている。イスラエルがこの不朽の航空機を段階的に廃止する方向に向かうにつれ、その運用や、1980年代初頭以来イスラエル空軍の長距離攻撃能力を支えてきたRVSの繊細な技術について、より多くが明らかになるかもしれない。■
Our Best Look So Far Inside Israel’s Once Secretive 707 Tankers
The Israeli Air Force provided unprecedented access to the rarely seen Remote Vision System refueling aid used in its 707 tankers.
Thomas Newdick
https://www.twz.com/air/our-best-look-so-far-inside-israelis-once-secretive-707-tankers
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