スキップしてメイン コンテンツに移動

宇宙軍が創立5周年、同軍の現状はどうなっているのか(Air and Space Forces Magazine)―そういえばUSSFを誕生させたのはトランプ大統領でしたね。

 oto




宙軍は12月20日に5歳となり、ガーディアンたちは祝賀の準備をしているが、宇宙軍への一般国民の認知度は低いままだと、キャサリン・ケリー宇宙作戦部副部長(人的資源担当)Katharine Kelley, Deputy Chief of Space Operations for Human Capitalは認めている。

 ケリーは、今週、戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies)で、「データを見ると、(国民の)8パーセント以下しか私たちの存在を知りません」と述べた。

 そこで、宇宙軍について知っておくべき5つのこと、他軍やすべてのアメリカ国民にとって宇宙軍が重要である理由を紹介しよう。


拡大し続ける宇宙軍

2019年12月20日、宇宙軍のメンバーはたった1人だった: ジョン・W・"ジェイ"・レイモンド大将だ。それ以来5年間で驚くべきスピードで拡大してきた。

 「過去5年間、毎年人員で3倍の規模になっている」と、レイモンドの後任としてサービス・チーフになったB・チャンス・サルツマン大将Chief of Space Operations Gen. B. Chance Saltzmanは言う。

 現在、宇宙軍は軍人と文民合わせ15,000人近くを誇り、そのうち約9,400人が現役のガーディアンだ。 軍人の数では最小の軍だが、およそ290億ドルの予算と、世界各地や軌道上での任務を担っている。

 対宇宙能力と戦略の開発は、B・チャンス・サルツマン宇宙作戦部長の最優先事項のひとつである。批評家は、宇宙軍は、いつ、どのように対宇宙ソリューションが使用されるかについて、方針をもっと明確にするべきと指摘している。


日常的なサービス

宇宙軍の活動を具体的に説明するとき、同軍指導部は通勤に携帯電話を使うか、ATMに立ち寄るか、飛行機に乗るかを聞いてくる。これらはすべて、宇宙軍が運用する衛星の集合体である全地球測位システムに依存している。実際、GPSは農業から金融市場、科学研究に至るまで、あらゆるものに使われている。

 ある試算によると、GPSが15分間ダウンすると、米国経済に約10億ドルの損害をもたらすという。

 GPSに加え、宇宙軍は衛星、望遠鏡、アンテナを組み合わせて、宇宙空間にある何万もの物体を追跡する責任も担っている。これは、物体が衝突してデブリが増えないようにするために非常に重要なことだ。デブリは宇宙空間に留まり、インターネットアクセスや通信、画像を提供する政府や民間の衛星を脅かす可能性がある。


ミサイル警報

宇宙軍は、ナビゲーション、タイミング、衝突回避サービスを提供するだけではない。世界中の米軍兵士を守る責任も担っている。それがミサイル警報衛星とレーダーの要点である。

 ガーディアンは、ミサイルやブースターの噴煙の熱を検知し、そのデータを統合戦術地上ステーションと共有することで、襲来する攻撃の事前警告を与える防衛支援プログラムや宇宙ベース赤外線システムのような永続的な赤外線衛星を頭上で運営している。

 早期警戒レーダー、周辺捕捉レーダー攻撃特性判定システム、長距離識別レーダーなどのレーダーは、ミサイルを追跡し、迎撃ミサイルを誘導して排除するのに役立つ。

 宇宙軍は、2020年に中東でミサイル攻撃を部隊に警告し、さらに最近では、イスラエルへの攻撃が保留されていることを米軍に警告し、連合軍が数百発のミサイルを迎撃することを可能にした。


確実な通信

宇宙軍は衛星を通じて、軍の最重要な任務を支援する通信を提供している。例えば、先進超高周波衛星システムは、核の指揮統制に必要な安全な通信を提供する。国防総省の重要任務である核抑止力の効果は、確実な通信ができるかどうかにかかっているため、宇宙軍は各衛星が安全で運用可能であることを常時確認している。


宇宙における脅威

宇宙軍は、地球上の人々や重要なサービスを守るだけでなく、宇宙にある米国の資産を守る責任も担っている。中国やロシアのような国が衛星を破壊したり、妨害する方法を試しているため、その任務は常に難しくなっている。

 米軍が航法、ミサイル警戒、通信などに宇宙を利用していることを知っている敵対国は、地球からミサイルを発射して軌道上の衛星を破壊したり、自国の衛星に別の衛星をつかんで移動させる手段を持たせたり、他の衛星にダメージを与える投射物を発射できる兵器を軌道上に設置する実験を行っている。ロシアは宇宙空間に核兵器を設置する構想さえ持ち出している。

 宇宙軍はこれらの脅威を監視するだけでなく、敵対勢力が宇宙で米国を傷つけようとするどんなものにも対抗できるように、「軌道上戦闘」と呼ばれるものに取り組んでいる。他国を危険にさらす手段を開発すること、つまり宇宙空間で独自の攻撃兵器を実戦投入することは、宇宙軍にますます必要としている能力で、数年後に開発されそうだ。


宇宙飛行の支援

一般の人々が宇宙について考えるとき、NASAと有人宇宙飛行プログラムを思い浮かべるだろう。

 ガーディアンの一人であるニック・ヘイグ大佐は現在NASAの宇宙飛行士として国際宇宙ステーションに滞在している。しかし、宇宙軍は重要な役割を果たしている。ケープカナベラル宇宙軍基地(フロリダ州)とバンデンバーグ宇宙軍基地(カリフォーニア州)の打ち上げ施設を運営し、国際宇宙ステーションや人間を軌道に運ぶロケットの状況把握や衝突回避の警告を行っている。■


As Space Force Turns 5, Here’s What You Need to Know About the Military Service

Dec. 19, 2024 | By Greg Hadley


https://www.airandspaceforces.com/as-space-force-turns-5-heres-what-you-need-to-know-about-the-military-service/



SEMPER SUPRA


コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...