三菱重工業で「もがみ」級フリゲート4番艦「みくま」が進水した。 (海上自衛隊)
「この計画によって可能になる幅広い技術的パートナーシップを両国政府が明確に理解できれば日本がこの計画を成功させる可能性は非常に高い」とオーストラリアの専門家は述べている。
日本は、主要な兵器システムを他国に売却する取り組みで重要な一歩を踏み出した。国家安全保障会議が、オーストラリア向け汎用フリゲート計画向けに、もがみ級の売却を正式に承認したのだ。
外務省は11月28日に声明を発表し、日本とオーストラリアとの関係がいかに重要であるかを指摘した。日本は、近代的な主要兵器システムを他国に売却したことはない。
国家防衛戦略にあるように、オーストラリアはインド太平洋地域における『特別な戦略的パートナー』として、日米防衛協力に次ぐ緊密な協力関係を構築する」と声明は述べている。
「この方針に基づき、本件を共同開発・生産することは、豪州との相互運用性・互換性の大幅な向上に寄与するとともに、インド太平洋地域における造船・整備基盤の強化と将来的な艦艇の能力向上につながるものであり、同国の安全保障にとって大きな意義がある」。
三菱重工業(MHI)が建造した「もがみ」は現在、海上自衛隊で活躍している。 100億豪ドル(約66億米ドル)の競合で、三菱重工はオーストラリアのアンザック級フリゲート艦を建造したティッセン・クルップ・マリン・システムズ(KTMS)と対決する。
Strategic Analysis Australiaの創設者であるマイケル・シューブリッジは、オーストラリアがドイツの艦船ではなく「もがみ」級を購入する決定をした場合、「それは(日本とオーストラリアの)共同作戦能力を根本的に高め、両国の防衛産業基盤を強化することになるだろう」と本誌に電子メールで伝えてきた。
「日本がこの計画で成功する可能性は非常に高い。特に、この計画によって可能になるより広範な技術的パートナーシップが、両国の政府レベルで明確に理解されるなら」と、防衛装備品取得の専門家として知られるショーブリッジは書いている。
ドイツはキャンベラとは正式な防衛関係を結んでいないが、日本は先月発表された相互アクセス協定や新たな兵力ローテーションなどの動きを通じ、オーストラリアとの軍事関係を強化している。
「オーストラリア海軍の老朽化したANZACフリゲート艦はドイツの設計だが、数十年前の建造で、現存するメリットは縮小している」とシューブリッジは指摘。 「しかし、ドイツ企業は海外での国防販売に精通しており、オーストラリアが通常の選定を行えば、日本は不利になる。キャンベラがこれを政府と産業界の共同プログラムとして捉えることが重要です」。
来年半ばまでに予定されている最終選考で日本が勝利した場合、「日本はオーストラリアとの先端軍事技術に関するAUKUSでのパートナーシップに飛躍し、日本が明らかな強みを持つピラー2で、より広範な協力への扉を開くことになる」とシューブリッジは述べた。
「日本政府と三菱重工が、オーストラリアのために、そしてオーストラリアと共にもがみ級フリゲート艦建造を申し出ているという事実は、10年前の潜水艦決定での挫折の後では、両国の戦略的・技術的パートナーシップの可能性を示す驚くべき声明だ。オーストラリアは、この時期にここまでの申し出をしてきた日本の真剣かつ前向きな目的を理解すべきだろう」。
発表の中でひとつ興味深いのは、日本がアメリカ同様、第三者への武器の譲渡に対する拒否権を保持するという点だ。■
Japan OKs potential sale of Mogami frigate to Australia, in first of its kind move
"Japan has an excellent chance of success in this program, particularly if the broader technological partnership it will enable is understood clearly at government level in both nations," wrote Michael Shoebridge, founder of Strategic Analysis Australia.
By Colin Clark
on December 02, 2024 at 3:13 PM
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