US Navy
USSカーニーは紅海での展開中、フーシの無人機やミサイルと51回もの交戦を行った
米海軍の駆逐艦が紅海やアデン湾でイランに支援されたフーシ派のドローンやミサイルを撃墜し続けている中、USSカーニー(DDG-64)が関与した最初の戦闘について海軍が新たに公開した中に、空中の脅威を撃墜する同艦のマーク45 5インチ主甲板砲の副次的な用途を浮き彫りにしている。
2023年10月19日、カーニーはイスラエルのガザ侵攻後、イエメンから発射されたフーシ派のミサイルとドローンの弾幕を撃ち落とした最初の艦となった。これは、海軍の指導者たちが、第二次世界大戦以来の最も持続的で運動的な行動とみなす継続的な戦いにおける最初の一斉射撃だった。また、他の事件では、海軍の艦船が高価なミサイルや最後の砦である近接武器システム(CIWS)で過去14ヶ月にフーシの砲撃を阻止している。 しかし、駆逐艦がこのような遭遇戦でマーク45の5インチ主砲を使用したことはほとんど語られていない。
今週発表されたカーニーの戦闘詳細は、具体的な内容には乏しいが、その日海上最前線にいた水兵たちの個人的な洞察を特徴としている。
USSカーニー(DDG 64)。 (米海軍)航行中のUSSカーニー。 (米海軍撮影:チャールズ・A・オルドキ・ジャーナリスト見習い船員
海軍関係者はTWZに対し、主砲がどのような種類の弾丸を発射したのか、何を標的にしていたのか、また主甲板砲がどのように使用されたのかを明らかにすることを避けた。主砲に使用可能な弾薬の種類には、近接信管式のエアバースト弾を含むさまざまな高火薬弾や、金属球を詰めたキャニスター弾がある。砲の製造元であるBAE社によれば、最新のMod 4バージョンでは、20発の通常半固定弾、10発の延長弾、あるいはその両方を20発のローダードラムに装填することができるという。艦の弾倉全体には、予備として600発が収納されている。
米海軍駆逐艦の5インチ主砲用70ポンド砲弾。 (米海軍)
退役した水上戦士官の中には、カーニーの5インチ砲は、高価な進化型シースパロー・ミサイルやRIM-116ローリング・エアフレーム・ミサイル(これを搭載している艦船用)、SM-2ミサイルの貴重な在庫を消費することなく、フーシの猛攻撃の一部を排除するのに最適なツールだったと言う者もいる。USNIニュースは、SM-2が2023年10月の最初の戦闘でフーシのミサイルを破壊するために使用されたと報じたが、そのようなミサイルは単価が数百万ドルもするため、そのような弾薬の支出率について懸念が提起され始めたのは、最初のカーニー戦闘遭遇からわずか数カ月後のことだった。 2024年の春までにこのような衝突はほぼ毎日起こるようになっていた。
その日、カーニーの砲がどのような弾丸を発射していたのかはまだわからないが、艦に搭載されたMk45は、標準的な弾薬を発射した場合、13海里の射程距離を持ち、フーシのドローンのような動きの遅い空中目標を破壊することができる。
元水上戦士官で、現在はランド研究所でアナリストを務めるブラッドリー・マーティンは、「(5インチ)砲は空中に弾丸を撃ち込むことができ、破片を使えば効果的な防空が可能だ。対艦巡航ミサイルに対してはそうでもない」。
元駆逐艦と水陸両用強襲揚陸艦の艦長で戦略予算評価センターの上級研究員ヤン・ヴァン・トールによれば、カーニーの指揮官は、飛行特性からフーシの兵器が高価なミサイルを使う必要のない「良い砲撃目標」であると判断したのかもしれないと述べている。
アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦USSカーニー(DDG 64)は、演習「フォーミダブル・シールド19」の一環で、実弾演習中にSM-2ミサイルを発射している(2019年5月17日)。 フォーミダブル・シールドは、NATOの指揮統制報告構造を用いた実戦的な統合防空・ミサイル防衛環境において、同盟国の相互運用性を向上させることを目的としている。 (米海軍撮影:MC1 Fred Gray IV/リリース)MC1 Fred Gray IV
敵対的なドローンを艦船に十分に接近させ、砲を使用させることは、飽和した防空環境の結果である可能性もある。また、目標が甲板砲の射程内に入って初めて姿を現した可能性もある。
本誌はMk45がどのような戦闘をもたらし、毎分16~20発の弾丸を発射するのかを以前紹介している。
このような甲板砲は、7月にソマリア沖でギリシャの軍艦がフーシ派の無人偵察機を撃墜するのに役立ったとも考えられている。
マーク45は、強力で「ウォールE」のような外観のマーク20 電子光学センサーシステムElectro-Optical Sensor System (EOSS)を含む艦の戦闘システムを通じ指揮される。
システムの製造元であるL3Harrisの代表は、2019年のインタビューでEOSSの特徴について本誌にこう語った:
「このシステムの主な目的は、艦船の砲兵システムに高精度の照準情報を提供することです。多くの場合、艦載レーダーは潜在的な脅威の最初の検出ができ、Mk20はその後、目標を視覚的に確認し、砲交戦のための正確な範囲と位置を提供するためにキューを発行します。目標は一発目での命中精度です。乗員は非常に独創的で、Mk20の状況認識や航行補助としての優れた性能をすぐに認識する。Mk20を使って不審船を目視調査したり、混雑した海域を航行する乗組員の話を聞いたことがあります。オペレーターは、赤外線サーマルカメラの能力と解像度が夜間航行で特に役立っていると感じています」。
マーク20電気光学センサーシステム(EOSS)(TWZ.com)
近年中止された海軍の取り組みのいくつかは、間違いなくフーシとの戦いで5インチ砲の能力を強化し、その過程で貴重なミサイルを節約しただろう。本誌が報じたところによれば、5インチ砲に高速で汎用性の高いハイパー・ベロシティ・プロジェクタイル(HVP)を搭載することを想定したプログラムは2021年に中止された。
紅海でのオブザーバーやミサイル保護論者はその決定を悔やんでいるかもしれない。HVPのようなオプションは、様々な脅威を排除するためのより費用対効果が高く、弾倉を拡張する方法とみなされていた、と海軍アナリストで退役潜水艦将校のブライアン・クラークは2019年にUSNIニュースに語った。
「中東で直面する可能性のある脅威の種類、低性能の巡航ミサイルや大型のUAVについて考えるならば、200万ドルのESSMや100万ドルのRAMを使用しなくてもよい撃墜方法があります」。
紅海での戦いでカーニーと引き継いだ駆逐艦の戦闘効果は否定できないものの、地味な5インチ砲がこ実戦で果たした役割の全容はわかっていない。■
USS Carney’s Red Sea Operations Highlight 5-inch Deck Gun’s Anti-Air Capability
USS Carney executed a whopping 51 engagements of Houthi drones and missiles during its deployment to the Red Sea.
Geoff Ziezulewicz
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。