2021年7月8日木曜日

米空軍がB-21の新しい想像図を公表。合わせてデータシートもご覧ください。

 米空軍発表のB-21の新しい想像図ではコックピット周りの構造が注目を集めています。機体形状からステルス性能を割り出されるのを恐れるため、想像図が必ずしも実機を忠実に表している保証はないのですが、これは改めて別記事で取り上げたいと思います。


Shown is a B-21 Raider artist rendering graphic. The rendering highlights the future stealth bomber with Edwards Air Force Base, Calif., as the backdrop. Designed to perform long range conventional and nuclear missions and to operate in tomorrow’s high end threat environment, the B-21 will be a visible and flexible component of the nuclear triad. (U.S. Air Force graphic)



米空軍がこの度発表したB-21レイダー想像図はエドワーズ空軍基地を背景に描かれている。


軍がB-21の新しい画像をデータシートと合わせ公開した。以前公開されたのと同じく今回もアーティストによる想像図だ。


想像図はカリフォーニア州のエドワーズ空軍基地を借景としている。420飛行試験航空隊が同基地にあり、B-21レイダーの飛行・地上試験すべてを担当する。


B-21事業は技術製造開発段階にあり、サプライチェーン全般で低率初期生産開始に備える。重要設計審査は2018年に完了し、機体設計は成熟かつ安定した状態にある。


長距離非核・核ミッションを想定したB-21は核三本柱の一角として柔軟かつ目に見える形の構成要素となり、将来のハイエンドかつ高脅威環境での運用をめざす。


「核戦力近代化が国防総省の最優先事項であり、空軍にも同様だ。その中でB-21がカギを握る事業となっている」と空軍迅速戦力整備室長ランドール・ウォールデンが語る。「オープンシステムアーキテクチャを盛り込んだB-21は脅威環境の進展に対応する爆撃機になる。同機の設計思想により米国の航空戦力を今後も維持できる」



以下空軍が発表したファクトシート

ミッション 

B-21レイダーは核・非核対応の侵攻型ステルス爆撃機でB-52とともに今後の米空軍爆撃機部隊の主力となる。将来のハイエンド脅威環境での運用を念頭に設計されたB-21は米国の航空戦力維持で大きな役割を演じる。


特徴

B-21レイダーは各種システムファミリーの一角として長距離爆撃を担当する。その他情報集監視偵察機能、電子戦、通信機能等を実施する。核兵器運用を想定し有人操縦・無人運用が可能だ。さらに、攻撃ではスタンドオフ兵器、直撃弾を運用可能。


機体誕生の背景

空軍省の迅速戦力整備室がB-21開発を主導し、調達担当国防次官捕と空軍長官が直接指揮している。


米空軍はB-21の技術製造開発契約をノースロップ・グラマンに2015年10月27日に交付し、同社はプラット&ホイットニージャニキインダストリーズコリンズエアロスペースGKNエアロスペースBAEシステムズスピリットエアロスペースの各社と提携した。


2018年にウェポンシステムとしての重要設計審査に合格したことで設計の成熟度とリスクの全般評価が下された。


2019年に空軍は戦略基地配備検討を終え、エルスワース空軍基地(サウスダコタ)、ホワイトマン空軍基地(ミズーリ)、ダイエス空軍基地(テキサス)がB-21の配備先候補となった。


環境影響検討を経て、空軍は2021年にエルスワース空軍基地(サウスダコタ)をB-21の主運用基地とし、訓練部隊も同基地に常駐する。


エドワーズ空軍基地(カリフォーニア)の空軍テストセンターがB-21合同テスト部隊の設置場所となり、空軍機体維持センターがあるティンカー空軍基地(オクラホマ)が補給活動の中心となる。


B-21レーダーの名称はドゥーリトルレイダーズにちなみ命名され、1942年4月18日に日本へ奇襲攻撃をかけた空軍兵士をたたえるものだ。この攻撃を契機に日本軍は本土防衛に部隊を呼び集める結果となり、米国並びに世界の同盟各国の士気を高めた。B-21の制式名は21世紀初の爆撃機との意味である。


主要性能諸元

主要任務 核運用可能な侵攻型ステルス爆撃機

運用部隊 グローバル打撃軍団

配備機数 最低100機

機体単価* 平均550百万ドル(2010年ドル価格)- 639百万ドル(2019年ドル価格)

*ロバート・ゲイツ元国防長官が平均調達価格を機体価格の管理の

主要指標と指定した。

運用兵器 核・非核

運用開始 2020年代中ごろ


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Air Force releases new B-21 Raider artist rendering

Secretary of the Air Force Public Affairs / Published July 06, 2021



2021年7月7日水曜日

中国の、つまりPLANの宇宙開発を警戒する西側世界。衛星攻撃能力の開発、宇宙ステーション建設、月有人飛行がすべて警戒の対象で、レッドカードものだ。

 

長征5ロケット

Wiki Commons photo

 

国が進める宇宙関連の動きへ米国や同盟国が懸念を示している。

 

ペンタゴン関係者は中国の対衛星(ASAT)兵器で現有衛星群が脆弱になると心配している。

 

中国は宇宙空間を軍事ドメインと位置付け、公式文書で宇宙戦、宇宙作戦で攻撃防御双方の手段を駆使し優位性を確保すると述べている。これは宇宙空間の安全を主張する Secure World Foundationが4月にまとめた報告書にある。

 

「中国は宇宙対応部隊を再編し、電子戦サイバー戦を統制する主要部隊と位置付けた」と報告書にある。しかし、「中国が宇宙空間で対抗措置をふどう活用するのか、または米国への抑止力として利用するのが目標なのか、いずれも不明だ」とある。

 

同財団のブライアン・ウィーデンは中国が新型宇宙機の初打ち上げをしたと指摘。同機の詳細は不明のまま、米空軍のX-37B宇宙機に酷似するといわれる。「中国の新型宇宙機が軌道飛行で小型衛星を放出してから軍事基地に着陸した証拠がある」

 

米国は中国の衛星SJ-17に目を光らせており、同衛星が地球静止軌道でランデブーなども行ったとウィーデンはいう。「同衛星は同じ中国の衛星二機に接近し、点検あるいは監視を展開した」

 

SJ-17が他国の衛星に接近した様子は今のところないとウィーデンは述べている。

 

脆弱な米宇宙装備が敵国の衛星から攻撃されるのを国防総省は危惧している。

 

宇宙空間での「積極防衛」手段とは「宇宙空間で別の対象を捕獲し、安全な軌道に変更させる、あるいは安全措置を行い脅威とならないようにする」のが戦略国際研究所の航空宇宙安全保障問題部長トッド・ハリソンの見解だ。

 

同研究所も宇宙兵器から軌道上の宇宙装備をどう防御するかをまとめた報告書を4月に出した。

 

同報告書ではドッキング可能で別の宇宙機を操作可能な装備が今後投入されるとある。「こうした装備があれば脅威となる衛星を攻撃したり排除できる、また機能を喪失させた衛星を捕獲したり、ハイジャックし自国用途に利用できるようになる」

 

中国が宇宙ステーションを建設する動きを示していることへも懸念が広がっている。

 

国家情報局長(DNI)室は「米情報コミュニティによる脅威評価」を毎年発表し、今年版では中国宇宙ステーションは低地球軌道LEOで2022年から2024年の間に稼働開始すると予測している。

 

中国最大級のロケット長征5Bで宇宙ステーションの最初のモジュールを5月に海南島文昌Wenchangから打ち上げた。打ち上げ機はその後予想外の大気圏再突入をし、米国等各国から地上落下すれば甚大な損害が生まれると非難された。結局、同ロケットの残骸はインド洋に落下した。

 

宇宙ステーション建設と並行し、中国は月探査も続けており、まず無人研究拠点を月表面に確保し、その後基地を構築する狙いとDNI報告書は指摘している。

 

およそ10年前に中国が新型大型ロケット長征9の開発を始めたのが判明したと国際評価戦略センターの主任研究員(アジア軍事問題)のリチャード・フィッシャーが述べている。「中国は月に多数の人員を送る計画があることを示している」

 

中国は「921」型と呼称する二番目の宇宙打ち上げ機の開発を2018年開始しているとフィッシャーは指摘した。「921型ロケットは25トンから26トンの貨物を月へ送る性能がある」「921は既存技術を応用して実現は予想より早くなり、月への人員輸送が早期に実現する可能性がある」

 

中国筋によれば921ロケットは2024年から2025年に試験を開始するとしている。(フィッシャー)

 

「月周回飛行も可能となるだろう」とし、月への有人飛行は2026年から2027年に実現すると予測している。

 

中国の地上配備指向性エナジー兵器開発も進展を見せており、将来は衛星の撃破に投入されるとSecure World Foundation は見ている。

 

四か所ないし五か所にこの装備が導入済みとウィーデンは述べた。

 

拠点は大型建屋があり、屋根が移動式の特徴ですぐわかるとウィーデンは言い、レーザー発射用のガス貯蔵に大型建屋が利用される。小型ドームを備え照準用の光学装備を備えるものもあるという。

 

判明している二か所では大学と同じ場所にあり、大気圏内の光学技術と物理を研究しているようだとウィーデンは述べた。

 

CSISがまとめた最新の宇宙関連報告書では中国のレーザー装備が対衛星作戦に投入される可能性に注意喚起している。

 

「一部は学術研究用でASAT装備とは無関係のようだが、一か所で懸念があるのは対衛星攻撃テストを展開する基地内にあり、そこにレーザー兵器が設置されているとの噂があることだ」(同報告書)

 

「指向性エナジー装備としてどこまでの性能があり、『運用可能』な状態なのか不明だが、そもそも宇宙装備への攻撃やテストの内容が公表されていない」

 

同拠点は軍事基地のようで、新疆のコーラから100キロ離れた地点にある。中国はそこで衛星攻撃技術のテストを展開したとウィーデンは述べた。

 

中国が米国の宇宙運用能力に追い付き追い越そうとしているのは、人民解放軍が宇宙作戦を今後の戦闘で不可欠の要素ととらえるためだ。中国は米国や同盟国の衛星群を狙うとDNI報告書が述べている。

 

「中国は軍事宇宙部門の技量を育成し、破壊、非破壊両面で地上配備、宇宙配備の新型対衛星兵器の配備を続けている」

 

中国は地上発射ミサイルを配備済みで、低地球軌道上の宇宙機を破壊する狙いがあるが、地上配備レーザーはLEO上の情報集衛星の精緻な光学センサーを機能停止させたり破壊する狙いがあると同報告書は指摘した。

 

また中国は地上配備光学望遠鏡やレーダーをネットワーク化することで、宇宙空間の状況把握能力を高め、宇宙物体の探知、追尾、分類付けを行っているとSecure World Foundationの報告書にある。

 

「米ロ両国同様に中国のSSAレーダーもミサイル警戒機能を担当している」「中国には自国外での追跡用の大規模なSSAネットワークはまだないが、追跡用艦船を有し、将来のセンサー設置を目指し他国と関係構築に動いている」

 

ブルッキングス研究所の安全保障戦略技術部門副代表フランク・ローズは米国が軍事作戦遂行を宇宙装備に依存する以上は潜在的勢力が今後もASAT兵器開発を続けるのを覚悟すべきだと述べている。「宇宙での課題はエスカレーションを招かずに競合を乗り切り、長期にわたり持続可能な安全を宇宙空間でどう実現するかだ」

 

その手始めとして、米国は中国、ロシアとの対話を再構築すべきとローズはみる。

 

最後の米中間の宇宙をめぐる政策対話は2016年で、宇宙安全保障に関し中国との対話が必要だというのがローズの主張だ。「バイデン政権の優先事項になる」

 

敵性国家は対衛星兵器を開発し、米国を非対称脆弱の立場にし、一方的な劣勢に追い込もうとするとローズは見ており、「ロシア、中国は今後も各種ASAT装備品を開発、配備していくはずだ」と言う。

 

米国の次の手は宇宙空間での競合を統制し、エスカレーションにつながるリスクを低減しつつ、宇宙デブリを発生させないよう行動規範を確立し、ランデブーや近接地点での運用を取り仕切る基準規制の確立も必要とローズは述べた。■

 

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China's Ambitious Space Programs Raise Red Flags

7/2/2021

By Mandy Mayfield


2021年7月6日火曜日

韓国がSLBMの水中発射テストに成功。海軍当局は慎重な姿勢ながら、メディアはエリート国の仲間入りと早合点している模様。「仮想敵国」の日本も注意すべき。

 South Korea Conducts Submarine-Launched Ballistic Missile Test

 

SLBM(潜水艦発射型弾道ミサイル)の水中発射テストを南朝鮮が先週実施した。


聯合通信によれば、テストは成功だった。大韓民国(ROK)がSLBM保有国の「エリートグループ」に入る道が開けた。北朝鮮が同様の技術を先に誇示し同グループ七番目の国になったと主張しているが疑念もある。SLBM装備保有国はすべて核兵器保有国でもある。南朝鮮は戦略核兵器を有さずSLBMを保有する唯一の国となる。


今回のテスト内容の詳細は公開されていないが、報道では玄武Hyunmoo 2Bミサイルの改造版を発射し、射程は500キロといわれる。2021年5月のバイデン-文首脳会談で米韓ミサイルガイドライン改訂が合意されたのを受け、ROK海軍は北朝鮮へ戦略優位性を確保すべくK-SLBM(玄武4-4型といわれる)の運用をめざしている。

Hyunmoo 2B ballistic missile

玄武2B弾道ミサイル


別の国内メディアでは排水量3千トンの島山安昌浩Dosan Ahn Chang Ho級潜水艦(KSS IIIバッチ1)でのコールド発射テストが近づくとある。同艦はK-VLS(垂直発射管)の搭載でSLBM発射も想定し、今月中にROK海軍へ引き渡しされる。同記事は海軍関係者の発言を伝えている。


おとり魚雷とSLBM発射管のテストを除き装備品の機能は島山安昌浩で確認済みだ。発射系統のテストが完了次第、海軍へ引き渡される」


昨年末に陸上からの発射は成功しており、潜航中潜水艦からの発射も時間の問題だと聯合通信は報じている。この点について軍の消息筋は控えめな見解を示し、事態を慎重に見るべきとメディアに苦言を呈している。「潜航中の潜水艦からのSLBM発射はまだ可能ではない。必要な技術の確保に向け進展はまだ続いている」


ROK国防部(MND)は報道内容の真偽について詳細情報の提供を拒んでいる。MNDは以下回答してきた。「安全保障の理由で個別装備品の情報には制約がある。韓国軍は最新かつ強力な装備品を導入し、半島の平和を守るべく強力な国防力維持に努めてきたし、今後も続ける」。一方で、国防調達事業庁(DAPA)は「おとり魚雷発射機能の公試が完了次第、同潜水艦は引き渡される」と発表した。


島山安昌浩級の一号艦はVLS6門を搭載し、玄武4-4SLBMのほか、対地攻撃巡航ミサイル(SLCM)の玄武3C(射程1,500キロ)も発射可能といわれる。KSS IIIバッチ2艦ではVLSが10門に増えるとNaval Newsが伝えていた。ただし、MNDはSLBMの開発状況、全長など情報を開示しておらず、同級潜水艦に弾道ミサイルを搭載するかも明らかにしていない。■



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South Korea Conducts Submarine-Launched Ballistic Missile Test

Daehan Lee  04 Jul 2021


AUTHORS

 

Posted by : Daehan Lee

Daehan Lee is a political, security affairs researcher who worked at the U.S. Embassy in Seoul and the People Power Party. Prior to his work in politics and diplomacy, Lee served for the Republic of Korea Navy as a secretary to the Vice Admiral and a translator for Master Chief Petty Officers of the Navy, shortly working at the Joint Chiefs of Staff. He writes about Korean naval acquisition and development. Fields of interest include maritime security, defense acquisition, Korean politics and foreign policy.

 

 


2021年7月5日月曜日

空軍参謀次長に聞く。米空軍の近未来構想。F-22、A-10の行方。NGADの設計運用構想。次期機種の設計も並行して進めるスパイラル方式。F-16後継機種など。

 



S・クリントン・ハイノート中将


空軍参謀次長にして戦略、統合、要求性能を取り仕切るS・クリントン・ハイノート中将は「空軍の未来学者」とよく呼ばれる。空軍の戦略方針立案ならびにマルチドメイン作戦構想とあわせ、作戦要求内容から装備品の統合を進める構想の責任者である。今年4月にAir Force Magazine編集部のエイミー・マクロー、トビアス・ネージェル、ジョン・A・ターパクが中将とzoomでインタビューした。

空軍参謀総長チャールズ・Q・ブラウンジュニアが最近になり空軍の長期機材運用計画にF-22ラプターは入っていないと公表している。第五世代の同機が姿を消しても第四世代機は長く供用するとある。なぜなのか。

空軍士官学校でYF-22とYF-23比較の論文を書いた。1991年当時は上級学生だったので年月が経つのは早い。30年になる。F-22に導入した技術も30年前のものだ。機体は今も高性能のままだが、実用化した新しい制空用途の技術をF-22から[次世代制空機材のシステムファミリー] へどうつなぐべきか検討する好機が来たといえる。F-22へ投資を続けるのは、NGADが中長期的に戦力化されるまでのつなぎとして必要だからだ。そうなると[F-22退役までの] 時間は10年から15年というところだろう。

NGADは前調達トップのウィル・ローパー博士が述べたように供用期間30年の想定ではなく、10年ないし11年12年使えればよい機体になるのか。

その通りだ。そう考えている。興味深い分析があり、供用期間の最適長についてのもので、まだ答えは出していないが、この質問は実に興味ぶかいものがある。なぜならこれまでは一定の期間供用する前提で機体を作り、その後ティンカー[オクラホマ州の空軍基地]に送る、あるいはヒル[ ユタ州の空軍基地] へ送り分解し再生していた。だがもしこれ以外のモデルが生まれればどうなるか。つまり、耐用年数を食いつぶすまで飛行させ、常時新型機を登場させていったらどうなるか。空軍でこうした考え方を定着させようとしている。

NGADに関し、迅速な開発をめざし、配備も迅速にし、配備が始まる時点で次期機材も半分完成させるということでいいのか。

次期機材の設計が始まる。

ということはNGADの次の機材も設計がはじまっているということなのか。

肯定も否定もできない。ただNGADの開発サイクルが始まっており、想定しているはある機種の開発、統合、配備をする間に次の機種の設計を進めることだ。航空機メーカー各社には設計段階で参入の機会が生まれることになり、選定によりその後参画できなくなる企業が生まれる。これを現在複数の事業を通じて実現する。

そうなるとサイクルは5年あるいは10年になるのか。

答えは出ていない。適正レベルを確立しようとしているところだ。そのため、ある機種を配備しつつソフトウェアや武装装備を同時に進展させるためにはプラグアンドプレイ方式になっていくのではないか。機体の成熟化が進む間に性能改修も企画し、同時に次期機種の設計を進める。その間に最新ソフトウェアを搭載でき、センサー技術を新型機に導入できるので、大幅な機能向上が実現する。5年おきか8年おきになりそうだ。

ではNGADの実戦化はいつか。

イベント中心に進めていく。現在の想定では2030年ごろというところだ。

空軍は旧型機の退役が必要と議会に訴えている。将来構想がこれにより左右されるはず。議会に正しい方向だと納得させられるか。

議員にはNGADの進展ぶりの一部を見てもらっている。視察した議員は一様に強い印象を受けている。事業の実現に向け仕事は多いが、現状を見て、実際に機体を飛ばす空軍隊員から話を聞いて、実際の方向性を理解してもらえる。ペンタゴンの高官向けに同じ企画をしている。実際に大きな効果が出ている。百聞は一見にしかず、ということだ。 

機体の廃止について各議員と話している。議会側全体として前向きになってきたと実感している。

F-22性能向上予算を認めない圧力は懸念ではないのか。今後10年15年後に実行が難しくならないか。

懸念があるのは確かだが、F-22を維持し新型機までのつなぎとする方針は重要だ。ここにリスクを冒す余裕はない。機材更新には日程上の余裕が少ない。そのため、F-22へ予算投入を続ける。同機に限界があることを承知の上でも装備の近代化が必要で、NGADの実用化まで活用したい。

Q. A-10は「プラスワン」と呼んでおり、2030年代まで供用するとある。両機種を同時に用途廃止すればリスクが生まれるのでは

機種ごとに廃止案は異なる。F-22では一部機能がNGADとは全く異なる。NGADは無人機、有人機混合となる。そのため単純な機種交代となならない。A-10を廃止する段階で、同機のような低生存性の近接航空支援機をまた作ることはしない。また、共同運用部隊が生まれつつある中でA-10廃止の時点で近接航空支援が全く同じ形になっているかわからない。おそらく、もっと分散型戦力になるのではないか。陸軍は火力を重視し、機動性はそこまで重要でないとしている。であれば近接航空支援も違う形になるはずだ。ミッションの内容も変わる。問題はA-10が現在担当している環境でこうした新機能をどう活用するかだ。対テロ戦でも新コンセプトの開発や性能が必要となる。その時間軸で見ると新しい構想の機体が必要となり、A-10廃止を進めるべきだ。

参謀総長が口にしているF-16後継機となる「完全新型機」構想はどうなるのか。A-10にも関係するのか。 

今後の戦闘で必要となるミッションに本土防衛ミッションがある。そこではハイレベルの生存性は必要とされないはずで、NGADとは異なる。そうなるとステルス性能も設計上で必須とならないが、ここで関係するのは、今後の時間経過とともに進化する設計をどうやって実現し、政府の力をどう活用するかということだ。

最近になり海軍は空母艦載機として有人無人機を半々にするとしている。2030年には6対4になているかもしれない。ではUSAFの考える比率はどうなるか。

第六世代機の構成を考えると有人、無人機の組み合わせが大きな意味を持つのは確実だ。自律運航機材に向買うのは確実で、有人機にぴったりくっついて飛ぶ無人機もありうるし、大量に投入される可能性がある。その好例がセンサー機能で多様な機材をネットワークでつなぎ対象地区を念入りに走査し戦闘クラウドでデータを相関させ、融合させ、活用する。これを演習で実行しておりその効果は極めて高いことがわかっている。またこの技術を同盟国友好国と共有し、大規模にセンサーのグリッドを実現し、敵の妨害を受けなくする。これで共同部隊は生存性を高める。また回復力を高める効果も生まれる。

実験の一つとして今週だったと思うが、無人機をロケット補助で発進し、パラシュート回収するビデオを公開した。この方式なら滑走路がない場所から発進回収か可能となり、価格と性能面で航空戦力に新しい局面が生まれる。滑走路がない場所でも航空戦力が実現するわけだ。この意味は大きい。将来の戦闘での生存力を考えると必要な技術で、中国のA2AD体制からミサイルが大量にわが方の航空基地に降る事態ではなおさらだ。■


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Q&A: Future Force

By Amy McCullough, Tobias Naegele and John A. Tirpak

June 30, 2021




実戦体験が1979年以降皆無のPLAは勝利できるのか。一方で米軍の実戦体験も戦闘員相手の戦闘で、中国相手となれば未知数。演習からの学びが重要になる。

  

 

1979年以降の人民解放軍には実戦事例がなく、その実力に疑問が呈されている。これに対し、長期作戦のイラク、アフガニスタンはじめ各地で米軍は世界で最も高い実戦体験を有している。とはいえ、低強度戦での体験が主であり、中国相手のハイテク戦には応用できないとの意見もある。

 

「実戦を経験した古参兵も数年で退役するため、戦闘の実体験を有する者が皆無となる」

 

中国軍に実戦経験は皆無に近いとシンクタンクRANDのティモシー・ヒースが論述している。だが経験の欠如があるからと言って大勢に影響はさほど出ないとも述べている。

 

「今日の中国軍にハイテク兵器が次々に加わっているが、装備品を使いこなす能力があるか不明だ。疑わしく思える理由がある」

 

人民解放軍が実戦投入されたのは1979年が最後で、「歴戦を経たヴィエトナム軍が大規模な中国侵攻部隊を撃滅した」とヒースは述べている。

 

当時のヴィエトナム軍は米軍等の敗退直後の戦力を維持する状態だった。中国軍は中国共産党による粛清を受け骨抜きの状態だった。

 

「PLAは有効性がないと判明していた人海戦術など旧戦術に戻り、実戦部隊は地図が読めず、砲兵隊は距離測定に慣れておらず射撃が不正確だった」(ヒース)

 

「この際の敗退のイメージがPLAに今も残っている」とし、「中国上層部が面倒な形の武力衝突には目をつぶっていたため、PLA隊員は実態と反する形の戦いに動員された」

 

「軍に残るごくわずかな実戦経験者があと数年で退役すれば、軍内部に実戦を知るものが皆無となる」

 

だからと言って中国が大規模戦闘で勝利を収めるのが不可能なわけではない。「勝利」の意味が重要で、大量の人員喪失や経済、環境、政治面の混乱の発生が戦争の結果どうしても生まれる。

 

「勝利」とは単純に以下を意味する。一方が短時間で戦略上の目標を達成し、他方に同じ結果を獲得させないことだ。ヒースは歴史を俯瞰し戦闘結果を左右するのは演習で得る知見だとする。

 

第二次大戦初期の米軍はこの知見が欠如していたが、訓練教育さらに物資、戦意、仕組み整備を通じ、初期の敗退事例を克服していった。その例が北アフリカの1943年におけるカセリーヌ峠で米軍部隊が被った被害だ。

 

対照的に1991年のイラク軍は1980年以来8年にわたりイランと対戦し経験が豊かだった。しかし、装備、戦闘方針、仕組み整備は不十分なままだった。米主導の多国籍軍は実戦経験は劣っていたがイラク軍を圧倒できたのは、優れた装備品、訓練、戦闘対応能力を冷戦時から引き継いだことが大きい。冷戦時には両陣営で銃火をかわすことはまれだったが、十分な準備を行う時間があったからだ。

 

今日の米軍にはいかなる国より豊かな実戦経験がある。この背景に長期にわたるイラク、アフガニスタン他での米主導の作戦展開がある。だが、経験値は低強度戦で得たものであり、中国相手のハイテク戦に通用するのか疑問を呈する向きがある。

 

「中国軍が相手の戦闘では米軍部隊は高密度戦闘に巻き込まれる公算が高い。これは両陣営で未体験分野だ」「初回の衝突時の勝利はどちらに転んでもおかしくない。適正な準備と立案があり、理想的な環境なら、中国が初戦で有利になってもおかしくない」(ヒース)

 

「だが初回の衝突で戦闘は終結しないだろう」「米軍部隊は実戦から学び戦闘効率を引き上げる強みを活かすはずだ。カセリーヌ峠で敗退したもののドイツ軍を撃破した事例のように」

 

「中国が指揮統制、訓練、統合、その他での劣勢を克服しようと展開してきた努力が実を結ぶかは戦闘が長引けば判明するはずだ。長期戦になれば結果を決めるのは将官による指揮ぶりを超えた、経済力、政治力、国民の結束などの要素に移る」とヒースは述べている。■

 

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China's Military is Inexperienced. Could That Cost It in a War?

by David Axe 

July 2, 2021  Topic: Military History  

 

David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels War Fix, War Is Boring and Machete Squad.

 


2021年7月4日日曜日

米海軍が電磁レイルガン開発を中止し、予算を有望な別事業に流用する。技術課題が解決できないとの判断。

 


 

Firing of electromagnetic railgun Naval Surface Warfare Center, Dahlgren, Va.

海軍水上戦センターで高速撮影ビデオが捉えた電磁レイルガンの発射の瞬間。January 31, 2008. (U.S. Navy/John Williams)



磁レイルガンの開発資金を極超音速ミサイル他ハイテク兵器開発に流用すると米海軍が発表した。


「厳しい財務事情、戦闘装備の統合に向けた課題、その他兵器体系の技術成熟度を考慮し、海軍は電磁レイルガン(EMRG)の研究開発を一時中止することとした」との声明を海軍が発表した。


レイルガン開発は2005年に開始され、火薬を使わず電磁場で砲弾をマッハ7、最大射程100カイリまで発射するはずだった。


しかし、開発開始から15年経過しても実用化に至っていない。2018年に海軍関係者は500百万ドル規模の実験で実用化のめどがついたと説明していた。



レイルガンはこうして高価ながら実用化不可能な装備品の仲間入りすることになり、未来型戦闘システム、コマンチヘリコプター、次世代巡洋艦に加わる。


レイルガン開発中止の兆しは先月に見られ、ホワイトハウスがまとめた2022年度予算案では海軍は火砲発射型誘導弾の予算を取り下げていた。これは実験用レイルガン用に開発を目指していた1メートル長の発射体だ。


「EMRGの開発停止は全省レベルの見直しの一環で、資源を優先事業に振り向ける。指向性エナジー、極超音速ミサイル、電磁兵器の開発を急ぐ」(海軍発表文)


ただし、レイルガン開発の難題は予算だけではない。2018年に当時の海軍作戦部長ジョン・リチャードソン大将は想定射程が実現できていない現況を議会で明らかにしていた。「実用化には各種技術が絡む。中でも砲身が制約で、工法、素材が大出力に耐える必要があり、発射に伴い熱や圧力が発生する」


これ以外に、大電力をどう確保するかの課題も未解決だった。三隻しかないズムワルト級駆逐艦のみ必要な電力を確保できるとされていた。■


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The Navy Finally Pulls the Plug on the Railgun

2 Jul 2021

Military.com | By Konstantin Toropin


2021年7月3日土曜日

中国が建造中の003型空母はフォード級に匹敵する大きさ。蒸気カタパルトを飛ばし一気に電磁カタパルト方式を採用しても米海軍の長年の運用実績の知見の厚みは一夜には得られない。

 


 

Chinese Type-003 carrier compared to the US Navy's Ford Class



海で建造中の新型航空母艦は中国海軍力の急拡大ぶりの最大の象徴だ。供用中二隻よりはるかに大型で、かつ全く異なる艦となる。そのため、米海軍の最新鋭フォード級と直接比較したほうがよい。


世界の主要海軍では空母が戦略上で高い優先調達装備になっている。運用歴が長い英海軍、フランス海軍、インド海軍はそれぞれ新型艦の建造調達を目指している。日本、南朝鮮他もクラブ入りをめざしている。だが、中国の整備ぶりが突出している。中国海軍PLANはロシア艦を原型とし二隻を供用中だが、三番艦003型で空母運用の次の段階へ進む。


空母技術で長年世界に君臨してきた米海軍も最新の超大型空母フォード級の導入を急いでいる。初号艦USSジェラルド・R・フォード (CVN-76)は2017年就役し、技術面で調整が必要となっているが、いまだに世界最大かつ最新鋭の空母のままだ。


これに対し003型は大きさで米空母に近く、「超大型空母」の分類に入れてもよいだろう。最新の商用衛星画像を見ると、同艦の大きさが推定できフォード級と比較できる。


画像から全長320メートルとフォード級より13メートル短いに過ぎない。とはいえ、両艦を並べるとこの差に大きな意味がないように見える。


ただし、中国艦の飛行甲板は米空母より狭いものの、先行001型002型空母にほぼ等しい。この理由として乾ドックの幅など支援施設要因があるのだろう。あるいは単純に中国当局は現行空母と同じ幅で十分と考えたのかもしれない。


だが現有空母二隻との大きな違いは航空機発艦方式だ。新型艦はCATOBAR(カタパルト補助発艦・拘束回収方式)であり、先行艦はSTOBAR(短距離発艦・拘束機体回収方式)だ。フォード級同様に003型は電磁航空機発艦システム(EMALS)を採用しているとみられる。これにより発艦機数を増やす効果が生まれる。これは最新技術であるが、信頼性が劣るとの評価がフォード級で判明したと伝えらている。ただし、改良が続いている。新技術のため課題もあるが、中国側も同じ事象に直面しているとは考えにくい。中国としては蒸気カタパルトの実用化技術習得を飛ばしEMALSへ一気に向かうのは合理的選択だろう。


003型にはカタパルト3基があり、2基を艦首側、一基を側部に搭載する。フォード級並びに蒸気カタパルト式のその他米空母は4基となっている。


カタパルトは現在供用中の中国空母二艦にはないが、新型空母はこれで新型艦載機の運用が可能となる。新型固定翼の空中早期警戒統制機 (AEW&C)のKJ-600が搭載されそうだ。同機は外観も任務もE-2D高性能版ホークアイに酷似している。その他予想される艦載機にはFC-31ステルス戦闘機の空母運用型がある。最近同機の実寸大モックアップが武漢の試験施設に登場している。同機はF-35CライトニングIIに近い存在だ。エンジンは双発で機内兵装庫は大きくなっているようだ。ただし同機の運用開始は数年先との予測で、003型就役開始時点ではJ-15フランカーをカタパルト運用可能に改装した機材を搭載するだろう。


フォード級は航空機移動用にエレベーター(リフト)を三基備える。ニミッツ級では四基だった。EMALS導入でニミッツ級を上回るソーティ生成回数が可能となる。だが中国艦では二基しかない。ともに長方形で右舷側に搭載される。大型のアイランド艦橋が中間に位置するためだろう。フォード級のアイランドは艦尾側に配置されている。前方エレベーターはカタパルトに近い位置にある。ジェット爆風の遮蔽版はエレベーター横にある。この位置関係だと発艦時には前方エレベーターは利用できないだろう。


ただし、紙の上では同艦はリフトが減って、デッキで利用可能な面積が増えるはずだ。だが、格納庫から機材を移動する距離が長くなる代償を考えると賢明な策とは思えない。ソ連時代の先例が影響しているようだ。003型のリフト2基配備はアドミラル・クズネツォフと同じだ。


003型のアイラインドが艦上に設置されたのは数日前のことだ。先行空母より短いように見えるが、大型フェイズドアレイレーダーを搭載するはずでフォード級と同じだ。


まとめると、003型は全体寸法こそやや小さく、カタパルト数、エレベーター数も少ないため、ソーティー生成数も低くなる。米空母はこれまでの運用から進化してきた。中国艦はこれに対し、空母運用の知見が少ないこともあり、手堅い設計になっている。003型が大型艦で高い戦力になるのはまちがいない。だがソ連時代の設計思想の影響を受けている側面もあり、総合的な効果に疑問も残る。


もちろん、003型のほかの部分ではまだわからないこともある。フォード級でも同様だ。だが、最終的には戦闘威力で評価すべきで、運用する乗員や運用方針が大きく影響する。PLANには米海軍が有する経験の厚みが欠如しているものの、PLANも空母運用を開始し10年近く経っており、経験の蓄積は急速に実現できる。またそのために大規模な予算投入をしているのは明らかだ。■


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China's New Super Carrier: How It Compares To The US Navy's Ford Class

H I Sutton  02 Jul 2021

 

H I Sutton writes about the secretive and under-reported submarines, seeking out unusual and interesting vessels and technologies involved in fighting beneath the waves. Submarines, capabilities, naval special forces underwater vehicles and the changing world of underwater warfare and seabed warfare. To do this he combines the latest Open Source Intelligence (OSINT) with the traditional art and science of defense analysis. He occasionally writes non-fiction books on these topics and draws analysis-based illustrations to bring the subject to life. In addition, H I Sutton is a naval history buff and data geek. His personal website about these topics is Covert Shores (www.hisutton.com)