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ウクライナ戦を見て、戦車全廃方針を打ち出した米海兵隊が決断に安堵している。ただし、必要なら陸軍戦車に頼るという考えでいいのか疑問。

台湾は太平洋で戦車が活躍できる唯一の場所と、海兵隊中将のカーステン・ヘックル中将は言う。(Photo by Ceng Shou Yi/NurPhoto via Getty Images)

兵隊の内部改革を進める中将は、戦車部隊を放棄する海兵隊方針を評価している。

海兵隊の戦闘開発・統合担当副司令官カーステン・ヘックル中将 Lt. General Karsten Hecklは水曜日、インド太平洋地域に戦車は「必要ない」と述べた。「インド太平洋のどこで戦車が活躍できるでしょうか?台湾?なるほど、でも他にありますか」

海兵隊の戦闘開発・統合担当副司令官であるヘックルは、海兵隊総監デイヴィッド・バーガー大将Gen. David Bergeによる議論を呼んだ「フォースデザイン2030」計画作成を補佐した。2020年3月に策定された同計画は、過去20年間アフガニスタンやイラクで陸上部隊として投入されてきた海兵隊を、海軍戦闘の原点に立ち返る再編成にしようとする。

広大な太平洋で中国に対抗するためだ。離島から離島へ飛び移る小型かつ高機動の部隊を配備し、センサーが多く配備された沿岸地帯で、容易に発見されたり標的にされず活動させる。しかし、「フォースデザイン2030」への最大の批判は、海兵隊戦車部隊の全廃だ。

しかしヘックル中将は、国際戦略研究センター(CSIS)と米海軍協会が開催したパネルで、ウクライナを見ればバーガーの決断は正しいと語った。

ロシア軍戦車数百両がウクライナ軍に抹殺されたり、鹵獲されている。更に多数が、ロシアの兵站の不備からガス欠になった。

ヘックル中将は言う。「戦車は、ロシアのウクライナ侵攻に見られるように、燃料を大量に消費するのです。イラクやアフガニスタンで、道路を走る燃料トラックが簡単に標的になることを学びました。イラクやアフガニスタンでは、大きな脆弱性となったのです」。

つまり、燃料を大量に消費し、簡単に見つかる戦車に頼らなくてもいいということが、前方展開し、軽く機敏な「スタンドイン」部隊のコンセプトを機能させると、ヘックル中将は言う。特に、中国の作戦を挫くために、太平洋の広大な地域を少部隊で、厳しい環境下で活動する場合は。

その代わり、海兵隊の戦車計画は陸軍の支援に依存する前提だ。

バーガー大将は、戦力設計2030の最初の版で、「戦車の能力は、過去の戦争における長く名誉ある歴史にもかかわらず、将来の最優先課題には作戦上適さないと結論づけるに足る十分な証拠がある」と書いている。「大型地上装甲車両は引き続き米陸軍が提供するものとする」。

海兵隊の戦車計画は陸軍を送り込むこと。(Photo by PATRIK STOLLARZ/AFP via Getty Images)

バーガー大将は、海兵隊が戦車を使用してきたのは、「脅威と環境に関する異なる仮定に基づいて設計された」能力の一部であると指摘する。

戦車含むこの能力は、海兵隊が「過剰に投資した」ものと、バーガー大将は書いている。

水曜日の講演でヘックル中将は、「全盛期でさえ、海兵隊戦車部隊は陸軍の後塵を拝していた」と指摘した。

そして、将来、海兵隊が統合軍での役割を検討する際により良い選択肢となる。

バーガー大将は、「統合軍の中で、海兵隊はどう位置づけられるのか、真剣に考えた」とヘックル中将は言う。「戦車はその一部ではないという大将の意見に心から同意します」。

陸軍がそのためにある、と彼は主張する。

歩兵将校と話すと、市街戦では戦車が必要という向きがいます。なるほど。壁に穴をあけるわけですか?」。

さらに、海兵隊が独自に開発した車両もある。8x8輪の水陸両用戦闘車両で、不運な水陸両用強襲車(AAV)の後継として設計された。老朽化したAAVは、2020年7月30日に海兵隊員8名と海軍水兵1名が死亡した事故をきっかけに、海中での運用が禁止されている。

「ACVはもっと、もっと生存力があります」とヘックル中将。「30ミリ砲を搭載したMod30型を作る可能性を検討中で、これで壁に穴を開けられます」

これで、「都市戦に使える長距離精密射撃と相まって、計算が変わるかもしれない」とヘックル中将は言う。

しかし、海兵隊の戦車廃止をめぐる議論は終わっていない。海兵隊が必要とする装甲支援を陸軍が常時提供できるかわからない。

また、戦場での戦車の役割も定まっていない。ロシアの戦車問題の実態は、戦後の徹底的検証で明らかになるであろう。

ロシアの戦車数百両が使えないのは、調整不足、兵站の不備、対策の老朽化、訓練・整備の欠如が主因なのか。

肩撃ちのジャベリンのような狭いキルゾーン、無人機、ウクライナに渡された多数の対装甲システムを利用したウクライナ防衛隊の技術が、ロシア戦車をウクライナで悪条件にしたのだろうか?

あるいは何らかの組み合わせか?

海兵隊が重装甲を捨てる決断をしたこととウクライナの事実をあわせ探る。続報をまってほしい。■


Russian Armor Losses Validate Marines' Decision To Dump Their Tanks Says General


the Marine Corps should find itself in need of support from tanks, their plan has a familiar ring. Send in the Army.

BY

HOWARD ALTMAN

MAY 6, 2022 5:39 PM

THE WAR ZONE


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