2026年10月30日金曜日

日本でのAMRAAMミサイルは保安上の懸念から米製重要部品の国内組付けになるとのTWZの観測―あわせてSM-3迎撃ミサイルの増産も日米で合意か

 

米国がAIM-120を大幅に増産する中、日本がAMRAAMミサイルの組立てを開始へ

数十億ドル規模のミサイル生産拡大として、日米両政府はSM-3ブロックIIA迎撃ミサイルの生産加速も目指している

An F-35A with the 461st Flight Test Squadron, 412th Test Wing, conducts a TR-3 AIM-120 live fire mission over the Pacific Test Range on January 22, 2025. The F-35 Integrated Test Force at Edwards is responsible for developmental testing of all three F-35 aircraft variants across the joint-services.

米空軍/イーサン・ワグナー

米国と日本は、AIM-120先進中距離空対空ミサイル(AMRAAM)の最終組立および検査施設を日本に設立する。これは、米国および同盟軍の需要が高まる中、 弾薬生産の拡大に向けた二国間の取り組みを推進するものである。

小泉進次郎防衛大臣は、フィリピン・セブで開催された「ASEAN国防相会議プラス(ADMM-Plus)」の合間に、ピート・ヘグセス米国防長官と協議を行った後、この合意を発表した。同施設は、防衛装備品・技術に関する両国間協力を加速させる「オペレーション・スーパーチャージ」の一環で運営される。

『Air & Space Forces Magazine』が掲載した発言の翻訳によると、小泉大臣は「F-35にとって不可欠なAMRAAM空対空ミサイルの最終組立・検査施設を日本に設立することについて、ついに合意に達した」と述べた。

小泉大臣は、この合意について、両国が必要とする装備への確保を図ると同時に、日本の国内防衛産業基盤を強化する手段であると説明した。現時点では、施設の立地、建設スケジュール、想定生産能力、および日本の産業パートナーについてはまだ明らかにされていない。

U.S. Air Force Staff Sgt. Andrew Wilson, left, a weapons load crew chief, and Senior Airman Anthony Silva, a weapons load crew member, assigned to the 57th Aircraft Maintenance Squadron’s Bolt Aircraft Maintenance Unit, secure a munition onto a bomb lift truck during a hot integrated combat turn (ICT) exercise at Nellis Air Force Base, Nevada, June 23, 2025. During hot ICTs, four AIM-120 Advanced Medium-Range Air-to-Air Missiles are loaded onto an F-35 Lightning II while the aircraft is simultaneously refueled with its engines running. (U.S. Air Force photo by William R. Lewis)

2025年6月23日、ネバダ州ネリス空軍基地にて、米空軍の兵器搭載要員がAMRAAMを爆弾運搬車に固定している。米空軍写真:ウィリアム・R・ルイス

発表は、9月にRTXの子会社レイセオンに交付された5年間のAMRAAM生産契約(さらに2年間の延長オプション付き、総額最大207億ドル)に続くものである。2月に 発表された枠組み協定に基づき、レイセオンは年間少なくとも1,900発のミサイル生産を目指している。この数字は全体的な生産目標を表しており、将来建設される日本の施設もその一部を担うことになる。AIM-120の単価は1基あたり100万ドルを超える場合もある。

今回の新たな取り決めは、AMRAAM製造への日本の参画をめぐる2年以上にわたる協議を経て実現した。構想は2024年に浮上し、その後、三菱電機が支援しレイセオンが実現可能性調査を行った。2026年4月までに、協議の範囲は最終組立・検査に加え、回路基板アセンブリの日本国内生産の可能性に拡大していた。

高需要ミサイルの新たな生産拠点に

超視程空対空ミサイル「AIM-120」は、F-35を含む米国および同盟国の幅広い戦闘機で使用されている。同ステルス戦闘機は、日本に駐留する米空軍および海兵隊の部隊に加え、航空自衛隊(JASDF)でも運用されている。また、米空軍と航空自衛隊はともに日本国内でF-15派生型を運用しており、これらにおいてもAMRAAMは主要な兵器となっている。

嘉手納空軍基地向けに指定された最初のF-15EXイーグルIIが、ボーイングのセントルイス工場で離陸する。米空軍写真:シニア・エアマン メラニー・ベルムデス

AMRAAMは、国家先進地対空ミサイルシステム(NASAMS)を含む地上配備型防空システムでも採用されている。このシステムは米国の首都圏を保護し、世界中の十数カ国で運用されている。ウクライナでの約3年にわたる作戦を通じ、その性能は十分に実証されてきた。

NASAMS - SHORAD & VSHORAD system with AIM 120 AMRAAM and AIM-9X thumbnail

NASAMS – AIM-120 AMRAAMおよびAIM-9Xを搭載したSHORADおよびVSHORADシステム

レイセオンによると、この兵器は44カ国で配備され、プラットフォーム14種類で運用されている。戦闘機作戦や防空におけるその重要性が依然高いことから、米国は在庫補充と急増する国際需要への対応を図るため、製造能力の拡大を優先課題としている。これは、ほんの数年前、世界的なAMRAAMの備蓄が潤沢であると見なされていた状況と著しい対照をなしている。

それ以来、AMRAAMは米国および同盟国によるフーシ派のドローンに対する作戦で広範に使用されたほか、イランによる度重なる攻撃からイスラエルを防衛する取り組みの一環として、シリアおよびイラク上空での交戦でも使用された。ウクライナも、ロシアのドローンや巡航ミサイルに対抗するために、NASAMS防空システムや、最近はF-16戦闘機を通じて、これらのミサイルを相当数消費している。これらの弾薬は、米国およびNATO同盟国から供給されている。

今回の新たな米国生産契約はロット41から47までが対象で、近代化されたプロセッサとソフトウェアベースの電子戦対策機能を備えた先進的なAIM-120D-3型も含まれている。

AMRAAMの供給量増加を模索する動きが活発化する中でRTXは製造設備、人員拡充、およびサプライヤーの生産能力への投資を行ったと述べた。同社はまた、製造上のボトルネック解消に向けた取り組みの一環として、2027年に稼働開始が見込まれる米国内の固体ロケットモーターの新たな生産ラインを明らかにした。

嘉手納空軍基地で行われた大規模航空機世代演習中、整備員がF-15への搭載に向けてAIM-120D AMRAAMを準備している。米空軍/上級空軍兵ピーター・レフト

この契約は、これまで同プログラムの特徴であった短期の調達契約よりも、生産の安定性を高めることを目的としている。その複数年契約という構造により、レイセオンは将来需要をより明確に把握できるようになり、製造能力およびミサイルの部品サプライチェーンへの投資を後押しする。

日本の参加により、拡大中の産業基盤に新たな組立拠点が加わる可能性がある。新型AIM-260の開発が進んでいる現在、AMRAAMの技術的機密性が低下していることも、この動きを後押しするだろう。ただし、当該施設が総生産量をどの程度増加させるかは、最終的な生産能力と、日本および米国の産業界間の製造責任の分担次第となる。

技術移転と産業上の保安措置

今回の合意は、産業参加と技術保護をめぐる交渉プロセスの最新段階である。

日本における武器輸出および防衛産業協力に対する長年の規制は、攻撃的とみなされる兵器に関わる取り決めを複雑にしてきた。AMRAAMには機密の誘導技術や独自の知的財産も組み込まれており、機密情報の移転や取り扱いを規制する保安措置が必要となる。

したがって、計画されている施設は、ミサイル全体を国内で製造するという約束には至っていない。代わりに、最終組立・検査モデルを採用することで、日本は産業協定を通じて生産された部品を用いてミサイルの完成と検査を行うことができる。

日本政府にとって、国内組立は、自国のAMRAAM備蓄の補充を支援し、防衛産業能力を強化するのに役立つ。米国政府にとっては、認定された生産拠点が追加されることで、米軍や国際的な顧客にサービスを提供する製造ネットワークが多様化することになる。

SM-3の生産も焦点に

「オペレーション・スーパーチャージ」の対象となるミサイルはAMRAAMだけではない。小泉大臣はまた、米国と日本が、スタンダード・ミサイル-3 ブロックIIA迎撃ミサイルの生産拡大を目的とした技術情報の共有で合意したことを認めた。

SM-3ブロックIIAは、弾道ミサイルの飛行中段段階で迎撃する設計で、主に艦載型イージスミサイル防衛システムに配備されている。この迎撃ミサイルは日米共同開発プログラムの成果であり、日本も導入しており、2隻の新型巡洋艦級イージスシステム搭載艦(ASEV)で主要な迎撃手段となる。

今回の合意によりSM-3の生産量がどの程度増加する見込みか、あるいは追加生産分がいつ利用可能になるかについては両政府とも明らかにしていない。

2つの取り組みは、地域の安全保障上の懸念が高まる中、同盟国の兵器供給網を強化しようとするより広範な取り組みを反映している。日本は、日本列島周辺における中国の軍事活動の活発化や、東・南シナ海全域で続く紛争を背景に、防衛能力の拡充を進めている。

生産施設内のSM-3ブロックIIA迎撃ミサイル。レイセオン

また、欧州諸国も、国内のミサイル製造能力の強化に向けた取り組みを進めており、これにはペイトリオット迎撃ミサイル他の防空兵器が含まれる。例えば今週初め、ロッキード・マーティンはポーランドにPAC-3ミサイル専用整備施設(MMF)を設立すると発表した。

会談の概要説明において、米国防総省は、ヘグセス長官が日本の防衛産業能力強化に向けた取り組みを歓迎したと述べた。両首脳はまた、重要弾薬の生産に関する継続的な連携を約束したが、概要説明ではAMRAAM施設について具体的に言及されていない。

これらの合意は、緊密な産業協力の枠組みを確立するものだが、最終的な運用上の影響は依然として不透明だ。現時点では、日本の施設の立地、稼働開始日、年間生産量、および具体的な製造担当範囲に関する詳細は不明のままである。一方、SM-3イニシアチブについては、公表された生産拡大目標が存在しない。

いずれにせよ、日本にAMRAAM組立・検査能力を確立する動きは、米国の製造能力の大幅拡大と併せれば、極めて理にかなったものだ。取り決めが、長期化するインド太平洋地域の危機においてミサイルの供給状況を改善できるかは、新たな生産能力がどれほど迅速に稼働し始めるか、そして広範な生産ネットワークで両国が必要とする部品や完成品を供給できるかどうかにかかっている。■

トーマス・ニューディック

スタッフライター

トーマス・ニューディックはTWZのスタッフライターであり、軍用航空、防衛技術、兵器システム、国際安全保障を専門に取材している。ドイツのベルリンを拠点とし、世界中の紛争、軍事近代化の取り組み、新興の航空宇宙技術について報道しており、特に空軍力と現代戦争におけるその役割に関心を持っている。彼の報道は、現代および歴史的な空軍力、特にヨーロッパにおける深い専門知識に基づいており、大陸内外の軍用航空、空戦、航空宇宙開発に焦点を当てている。

日本でもAMRAAM生産へ―日米で合意形成―新施設の場所等は未公表―2026年は弾薬類の増産に舵を切った年として記憶されるでしょう

 

AMRAAM生産施設の新設で日米が最終合意

US and Japan Finalize Agreement for AMRAAM Facility


F-35ライトニングIIが、カリフォーニア州沖で、AIM-120先進中距離空対空ミサイル(AMRAAM)を発射した。このAMRAAMは、カリフォーニア州エドワーズ空軍基地にあるF-35統合試験施設を拠点とする、通常離着陸型(CTOL)のF-35A(AF-6)戦闘機から発射された。(米国海軍写真、ロッキード・マーティン提供、撮影:ポール・ウェザーマン/公開済み)

今週フィリピンで開催された防衛相会合において、日米両国は、今後7年間にわたり先進中距離空対空ミサイルの生産を拡大する207億ドル規模の米国防総省契約に続き、AIM-120AMRAAMの生産施設を日本に設立する合意を最終決定した。

小泉進次郎防衛大臣は、10月28日の記者会見で、東南アジア諸国連合(ASEAN)国防相会議でピート・ヘグセス米国防長官と会談し、この合意を発表した。

合意は、両氏の前任者たちの下で2024年7月に始まった取り組みの集大成である。

小泉大臣は、発言の翻訳によると、「F-35にとって不可欠なAMRAAM空対空ミサイルの最終組立・検査施設を日本に設置することについて、合意に達した」と述べた。「これは、日米双方に必要な装備の確保を確実にするだけでなく、日本の防衛産業基盤を強化することにもつながる画期的な合意である」

両首脳の会談に関する米国防総省の発表では、AMRAAM施設については言及されなかったが、ヘグセス長官は「日本の防衛産業能力強化に向けた取り組みを歓迎し、両首脳は重要な弾薬の生産について引き続き緊密に連携することを約束した」と述べた。

施設の建設地についての発表はまだない。

承認プロセスに2年以上を要した一因は、日本が第二次世界大戦での壊滅的な損失を受けて掲げた平和重視の外交政策に由来し、致死性兵器の輸出や同盟国との攻撃用兵器の共同生産に対し憲法上厳しい制限が課されていることにある。

また、AMRAAMには機密性の誘導システムや知的財産が含まれており、兵器に関する重要情報の漏洩を防ぐ厳重な安全対策が必要とされている。

日米当局者は、ドナルド・トランプ大統領やヘグセス長官、さらに国防総省の指導部が同盟国に対し、自国防衛への投資拡大を求めている中、この合意によりAMRAAMの産業基盤が多様化し、米国と同盟国双方に地域的な備蓄が構築されると述べている。

AMRAAMは長年にわたり、米軍の主要な近接空中戦兵器であり、最初のミサイルは1988年に納入された。最新型はAIM-120Dで、GPS誘導機能を備え、従来型に比べて射程、殺傷力、妨害耐性が向上している。

既存のすべての戦闘機に加え、F-22ラプターやF-35ライトニングIIといった第5世代戦闘機も、AMRAAMを搭載することができる。

9月下旬、国防総省と請負業者のRTXは、AMRAAMに関する5年間生産契約と、最大207億ドル相当の2年間の追加オプション契約を発表した。両者はこれに先立ち、2月にAMRAAMおよびその他の主要兵器に関する枠組み合意に合意していた。

10月23日に空軍が公表したこの契約では、ミサイルの数量は明記されていないが、2月の枠組み合意では、RTXが年間生産量を「少なくとも1,900発」に増産することが求められている。

この新契約の期間と規模は、これまでの契約をはるかに上回っている。従来の契約は通常1年間のみであり、予算上の圧力や各軍種の優先順位で需要が激しく変動する恐れがあった。

2022会計年度においても、空軍の予算要求ではAMRAAM購入は186発にとどまり、海軍は要求していなかった。これらの総数は、予算再配分要求や議会の追加予算を通じて変更されることになったが、概して2017会計年度から2022会計年度にかけて、両軍における調達数は400発以下にとどまっていた。

AMRAAMの調達

今回の新契約により、国防総省の複数年度調達権限が拡大され、ロット41~47が対象となる。該当ロットには、近代化されたプロセッサや電子戦脅威に対するソフトウェア定義型対策など、AIM-120D-3に搭載された第5世代技術が含まれる。

今回の契約は、ドナルド・トランプ政権が推進する、兵器や航空機に関する複数年契約の確保に向けた広範な取り組みの一環で、過去数十年にわたる資金調達の断続的なサイクルを打破することを目的としている。

また、この契約により他国への供給量も増加し、追加の調達パイプラインとして16の国際パートナー国への対外軍事販売(FMS)が含まれている。

「当社は、米軍および40カ国以上の同盟国にこの極めて重要な能力を提供するため、生産量を過去最高水準まで加速させている」と、RTXの広報は『Air & Space Forces Magazine』誌への電子メールで述べた。

「当社は過去数年にわたり、生産能力の拡大、製造の近代化、およびサプライチェーンの強化に向けて多額の投資を行ってきました」と広報担当者は記した。「RTXは、契約が確定する前から、8,000万ドル相当の試験装置を先んじて調達しました。これらの投資により、今後数年間で年間生産量は少なくとも1,900発のAMRAAMミサイルにまで拡大される見込みです。」

同社は新たな複数年契約により、納入中断を回避できると広報担当者は記した。

AMRAAMの生産は、下請け業者による部品サプライチェーンの問題や、固体ロケットモーターの生産遅延など、各種ボトルネックに直面してきた。

「多くの先進的な防衛システムと同様に、AMRAAMもリードタイムの長い複雑な部品に依存しています」と広報担当者は記した。「継続的な投資、サプライヤーとのパートナーシップ、そして2027年に稼働開始予定の米国における新たなロケットモーター生産ラインなどの取り組みを通じて、当社はかつてない速さで生産体制を構築しています。」■

GCAPでのドイツの動きに神経を使う日本側の懸念はあくまでF-2代替スケジュールの実現にある–首脳会談でもGCAPは議事録には残っていない模様

 

ドイツの次期戦闘機で防衛分野の提携関係が試される

Germany’s next fighter jet puts its defense partnerships to the test


防衛分野でドイツが主導権発揮の強化を図る中、次期戦闘機では既存事業への参加か、新プロジェクトの立ち上げかの選択を迫られている

ベルリン発 — ドイツは、次世代戦闘機の開発をめぐり重大な選択を迫られている。英国、イタリア、日本が参加する既存のプロジェクトに加わるのか、それともスウェーデンやスペインと共同で新たな機体を開発するかだ。この決定は、今後数十年にわたる同国の軍事能力と外交上の同盟関係を形作るものとなる。

このジレンマは、フランスやスペインと共同で進めてきた戦闘機プロジェクト「フューチャー・コンバット・エア・システム(FCAS)」の頓挫を受けて生じたもので、ベルリンは欧州のパートナー諸国との先端軍事技術の開発方針を再考せざるを得なくなった。

国防省の評価は、国防上の要件やドイツ産業界にとっての機会を理由に、ストックホルムやマドリードとの提携を支持している。一方、機密事項についてPOLITICOに匿名で語った産業界や外交筋によると、首相府は、ロンドンと連携することに外交上の利点があると考えている。

「一方で、どの国も自国産業を支援したいと考えている」と、ボリス・ピストリウス国防相は 9月に議員に語った。FCAS破綻を受けて、欧州の防衛協力について問われた際の回答だ。「同時に、誰もが……欧州共同の軍備プロジェクトも望んでいる」と彼は述べた。「このジレンマの解決は簡単なことではない。」

ベルリンの包括的な目標は、米軍事技術への依存度を下げることだ。その野心は欧州の安全保障に対するワシントンのますます予測不可能な姿勢が出たより前から存在していたが、ドナルド・トランプ大統領によるNATO離脱の脅しや同盟国への批判で事態の深刻さを増している。

先週の選挙集会で、米国大統領は、欧州の指導者たちが移民政策の転換に失敗した場合、米国には「欧州を離れるほかない」――これは駐留米軍を意味している――と警告した。また、NATO同盟国が、米国によるイラン戦争への支持を拒否していることについても批判した。

ウクライナが直面している、米国が管理するスペースX衛星通信に関する最近の困難、米国製防空ミサイルの納入遅延、情報共有の問題もまた、米国の技術に依存する国々が、ワシントンの決定にいかに脆弱であり続けるかを浮き彫りにしている。

戦闘機の決定は、より広範な取り組みに対する最も差し迫った試金石である: ドイツはまた、100億ユーロがかかる可能性のある独自の軍事衛星通信ネットワーク構築を計画しており、2,000キロメートル以上離れた標的を攻撃可能な欧州製長距離ミサイルの開発に向け英国と協力している。さらに、NATOが定めた防衛費の「2029年までにGDPの3.5%」という目標を、同盟が定めた期限より6年前倒しで達成することも目指している。

しかし、支出を増やしても、自動的に軍事的に独立できるわけではない。ドイツはあらゆる先端兵器を単独で開発することはできないので、軍事能力を提供しつつ、開発と管理においてドイツに永続的な役割を与えられるパートナーを必要としている。

高額な失敗から得た教訓

6月、メルツ首相とフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、欧州の次世代戦闘機を共同開発する計画を断念した。

FCASプロジェクトは、欧州防衛協力の旗艦となり、ドイツの老朽化したユーロファイターに交代する予定だった。しかし実際には、ドイツのエアバス・ディフェンスとフランスのダッソー両社間で長年にわたり続いた対立により、計画は頓挫してしまった。

この破綻は、パートナー間の対立が、遅延や計画の断念を通じ、納税者の資金数十億を凍結させてしまうことを示した。今、ドイツが直面する当面の課題は、代替策を見つけることである。

一つの可能性が英国から提示されている。英国はすでに、グローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)の下で、イタリア・日本と共同で次世代戦闘機の開発を進めている。今月初めのベルリン訪問で英国のアンディ・バーナム首相はドイツに同プログラムへの参加を提案した。

ロンドンにとって、ドイツの参加は、世界最先端の軍用機を開発するための莫大な費用を分担する助けとなる。ベルリンにとって、既存のプログラムに参加することは、全く新規のプロジェクトを立ち上げる必要なく、前進への道筋となる可能性がある。

しかし、この提案に対し、ドイツ国防省内から懸念の声が上がっている。本誌が以前報じたように、同省の内部評価では、スウェーデンやスペインと共同で新たな戦闘機プログラムを推進することが推奨されている。

ドイツ当局者は、GCAPに参加すれば、責任分担が既存のパートナー間で既に決まっているため、主要技術や生産に関して国内産業の発言権がほぼ失われることを懸念している。国防省当局者は、軍事要件の適合性が高く、ドイツ産業にとって大きな機会になるなど、スウェーデンとの共同開発案に利点を見出している。

しかし、それはベルリンの目指す外交的野心と合致するとは限らない。

2つの政治的アプローチ

ドイツと英国は、ブレグジット以降、安全保障と防衛に一部焦点を当てた新たな友好条約や、長距離ミサイルに関する協力を通じて、関係を強化してきた。戦闘機パートナーシップは、欧州で最も戦略的に重要な防衛プロジェクトの一つで両国を結びつけることで、その絆をさらに深めることになるだろう。

エアバスに詳しいある当局者(機密事項について率直に発言できるよう匿名を条件とした)によると、首相官邸は、地政学的な利点もあって、GCAPに魅力を感じているようだ。

ベルリンの政治指導部にとって、英国との防衛関係を緊密化すれば、欧州が自らの防衛に対してより大きな責任を負うよう迫られる中、欧州の主要な軍事大国であり、NATOで重要な同盟国である英国を、欧州の安全保障に密接に関与させ続ける一助となり得る。

そのため、ドイツは、英国との提携による潜在的な外交上の利益と、スウェーデンとのプロジェクトに当局者が見出す軍事的・産業的な優先事項とを天秤にかけて検討している。

メルツ首相の訪日に注目

こうした政治的な計算があと数週間で差し迫ったものになる可能性がある。

メルツ首相は水曜日に日本を訪問する予定で、同プログラムの創設メンバー日本と、ドイツのGCAPへの参加可能性を協議する機会となる。ドイツ参加には日本の同意が不可欠だが、東京側は、老朽化したF-2戦闘機の退役が2035年頃に始まる予定であるため、この期限の実現を特に重視している。

バーナムの訪独中に、同氏とメルツは、ドイツ参加の可能性について検討するよう、それぞれの防衛担当チームに指示することで合意した。産業界や外交筋は、メルツが日本訪問中にこの問題を提起すると見込んでいる。

メルツとピストリウスにとっての課題は、ドイツの防衛能力強化を支援しつつ、政治的、軍事的、産業的な国益を推進できるパートナーを選定することにある。■


2026年10月29日木曜日

軍事力が衰退した英国が国防予算の増額を公約し、GDP比3%相当に引き上げるとしているが、本当に実行して軍の再建ができるのだろうか ― ロシアが注視しているはず

 

英国は国防予算を2030年までにGDP比3%に引き上げると公約、産業界と投資パートナーシップを締結へ

UK commits to 3 percent GDP on defense by 2030, new investment partnerships with industry


ヒーリー財務相は、英国の「国防投資計画」で資金が「完全に」確保されると述べ、国防費はその他優先事項の予算削減で賄われると示唆した

  • Breaking Defense

  • アーロン・メータ 

  • 2026年10月28日 午後12時43分

  • https://breakingdefense.com/2026/10/uk-commits-to-3-percent-gdp-on-defense-by-2030-new-investment-partnerships-with-industry/

ワシントン発――英国は2030年までに国防費をGDP比3%まで引き上げる計と、ジョン・ヒーリー財務相が明らかにした。発表では、防衛産業との連携を強化していく道筋も示された。

本日の演説で、ヒーリー財相は、英国の防衛投資計画に「十分な」資金が充てられると述べ、他の優先事項の予算削減で防衛予算を捻出することを示唆した。

さらに同氏は、来年の歳出見直しにおいて、英国が2035年までにGDPの3.5%を防衛費に充てるというNATO公約をどのように達成する計画か、また2030年までに3%を達成する方法を具体的に明らかにすると述べた。

ヒーリー財相がこのニュースを発表したことが、防衛問題ウォッチャーにとってさらなる弾みとなった。

ヒーリー財相は、前首相キア・スターマー政権下で国防相を務めていたが、自身が「軍への資金不足」と表現した問題をめぐり公に辞任した。その辞任をきっかけに辞任が相次いで発生し、最終的にスターマー首相の退任を招き、バーナムが後任となった。バーナムはその後、ヒーリーを財務責任者として再び迎え入れた。

ヒーリー財相の演説とあわせて公表された予算文書にある、その他防衛関連の発表は以下の通り:

  • 「英国の防衛に対する民間および国際的な資金の貢献を最大化」するため、新たな「革新的防衛資金調達タスクフォース」を立ち上げる。

  • 「NATO同盟国間の防衛投資および共同調達」に向けた資金をプールするため、フィンランド、ポーランド、オランダと協議を開始する。

  • 「国家資産基金(National Wealth Fund)およびブリティッシュ・ビジネス・バンク(British Business Bank)が、今後4年間で最大50億ポンドを、国防、軍民両用分野、および国家安全保障、主権的能力、レジリエンスを支えるその他の分野に投入する」

  • 国防省主導の「ドローン規制ユニット」の創設。同ユニットは、異なる機関を横断して「官僚的な手続きを簡素化し、無人・自律システムの試験に向けたより明確な道筋を確立する」ことを目的としており、これは米国における無人航空機(UAV)の規制当局に関する懸念の一部を反映しているように見える。

  • ウクライナへの追加資金として100億ポンド(133億ドル)。

  • 政府は現在、ロールス・ロイスと共同で、軍民両用となる次世代ガスタービンエンジンを開発するため10年間・25億ポンド規模の計画を進めているが、これに対する資金はまだ確保されていない。「これはまだ契約に至っておらず、資金提供は採択、交渉、および関連する法的手続き次第である」と文書には記されている。


英国軍の衰退は深刻だ―かつての栄光の英海軍が今や十数隻しか運用できない。原子力潜水艦は埠頭に係留されたまま。ここまでの戦力減衰を招いた理由は国防予算をこれまで冷遇してきたことにある

 

「『ハイ・ノース』をロシアから防衛する艦艇や能力が英海軍に足りない」(英委員会報告書)

Royal Navy Lacks Ships, Capabilities to Defend High North from Russia, Says U.K. Committee Report


2026年10月26日にNATOが公開したハイ・ノース海域を航行するロシアのキロ級潜水艦。NATO提供写真

英国下院の防衛委員会は木曜日、英国海軍には現在、ロシアからハイ・ノースを防衛するため必要な艦艇や能力が欠けていると警告した。

「ハイ・ノースにおける防衛」報告書で、同委員会は、英国海軍が艦艇建造の遅延、整備の停滞、潜水艦部隊の衰退に悩まされていると指摘した。

「英国は厳しい現実に向き合う覚悟が必要だ。現時点では、ハイ・ノースで成功裏に活動する能力がすべて不足している。ハイ・ノースに展開するロシアの潜水艦および破壊工作部隊は、核抑止力を含め、北大西洋および英国に直接的なリスクをもたらしている。にもかかわらず、国防省は対潜戦能力に深刻なギャップがあることを容認している。駆逐艦、フリゲート艦、攻撃型潜水艦の稼働率が低いという公に確認できる証拠は、英国がハイ・ノースにおける責務を果たせるかどうかを疑問視させるものだ」と、タン・デシ下院議員(防衛委員会委員長、労働党)は述べた。

報告書は、英国がロシアの脅威を阻止または撃退するための軍事的準備を整える期限を2030年と定めた。これは、英国および同盟国の情報機関による評価に基づき、キア・スターマー前首相が6月に「早ければ2030年にもロシアによるNATOへの攻撃が発生する可能性がある」と述べたことを引用したものである。

「英国政府が『ロシアは早ければ2030年にもNATOを攻撃する可能性がある』という発言をそのまま受け止めるのであれば、脆弱性を是正する取り組みは、一刻も早く開始されなければならない」とデシ議員は述べた。

6月に発表された英国の「防衛投資計画」では、2030年までに国防費を国内総生産(GDP)の2.7%に引き上げるため、今後4年間で2,980億ポンド(3,979億ドル)を投資すると約束された。同委員会は、加盟国が再軍備の公約をどの程度効果的に履行しているかを測定するためNATOが作成した内部文書に言及した。委員会の報告書によると、英国はNATO加盟32カ国中31位だった。

2026年10月9日、HMSドラゴンがポーツマス海軍基地に入港する様子。英国国防省提供の写真

「軍事能力がないアイスランドだけが、順位表で英国より下位にある」と報告書は記している。

英国海軍の対潜戦フリゲート艦と原子力潜水艦は、北極圏におけるロシアの活動に対する最大の抑止力となっているが、いずれも老朽化が進んでいるか、整備上の問題のため運用不能となっている。さらに、英国海軍は2010年に駆逐艦6隻とフリゲート艦13隻からなる艦隊要件を定めたが、この要件を満たすのに苦戦している。現在の艦隊は、タイプ45駆逐艦6隻とタイプ23フリゲート5隻で構成されており、19隻の艦隊という要件の半分にも満たない。

「新型フリゲートが艦隊に加わる予定とはいえ、現在の艦隊の戦備状況を見ると、2030年までにハイ・ノースで求められる海上任務を維持できるか疑問だ」と報告書は述べている。

ハイ・ノースで必要とされる能力で特に重要なのは、対潜戦任務を遂行するため、13隻のフリゲート艦のうち8隻にソナー2087曳航アレイを装備させる要件である。この曳航アレイは現在、残りの5隻のタイプ23フリゲート艦すべてに搭載された。

タイプ26の建造と引き渡しの遅れにより、王立海軍の対潜戦(ASW)フリゲート艦の隻数で能力ギャップが生じている。同型1番艦となるタイプ26は2017年に起工され、2027年の就役が予定されている。将来的にはタイプ26フリゲート8隻が対潜戦任務を引き継ぎ、残りのフリゲート要件はタイプ31多目的艦5隻で賄われることになる。

委員会によると、今後3年間、対潜フリゲートは5隻まで減少する可能性がある。現在建造中のタイプ26フリゲート2隻は、2025年に発注され2039年までに就役予定のノルウェー向けとして売却される予定で、これにより英国海軍は2037年まで8隻の対潜フリゲート要件を満たせないことになる。

防衛委員会は、タイプ23がタイプ26によって1対1で置き換えられるまで、それ以上のタイプ23を退役させてはならないと勧告した。

2025年11月30日、イングランドのラウンズ・タワーに空母HMSプリンス・オブ・ウェールズ(R09)が接近する中、曳船が水を噴射している。英国海軍提供の写真

国防委員会によると、英国海軍は、駆逐艦、空母、強襲揚陸艦、潜水艦の維持管理でも課題に直面しており、これらはいずれも「ハイ・ノース」作戦に有用な軍事能力を提供できるという。

クイーン・エリザベス級空母2隻は、プロペラシャフトの問題により、2022年と2024年に相次いで故障した。2隻の特殊強襲揚陸艦は、2033年および2034年と予定されていた退役予定日より前倒しで、2024年11月に退役した。その後、英国とオランダはそれぞれ4隻の揚陸艦を調達する契約を締結したが、これらが就役するのは2030年代になる見込みだ。

駆逐艦HMS ドラゴン(D35)は、ドローン攻撃への防衛のためキプロスへ展開するべく、3月に整備から引き出された。

「タイプ45駆逐艦で他に配備可能な駆逐艦が1隻もなかったという事実は、配備可能な艦艇の不足を反映している。これらの艦艇は防空能力を備えているため、北極圏での作戦においても同様に重要となるだろう」と防衛委員会は述べた。

さらに、アストゥート級原子力攻撃潜水艦5隻すべてが造船所に係留されており、配備艦は1隻もなかった。国防委員会は英国海軍の潜水艦戦力の衰退を指摘し、氷下での作戦能力に疑問を呈した。

「信頼できる氷下作戦能力がなければ、英国はハイ・ノースにおけるロシアの行動の自由に対抗する能力が低下し、より守勢的な姿勢を強いられるリスクがある。そうなれば、ロシアは氷を利用して自国の潜水艦を隠蔽・保護しつつ、NATOの海上交通路、英国の重要インフラ、そして核抑止力を脅かすことができる」と国防委員会は述べた。

報告書は、政府に対し、2030年までに国防省が海軍のフリゲート艦、駆逐艦、攻撃型潜水艦の運用可能率をどのように向上させるかを概説した計画を国防委員会に提出するよう勧告した。最新情報は機密扱いとして提示される可能性があるが、委員会は一般公開版が提供されるよう期待している。

国防委員会報告書は、少なくとも一部アストゥート級潜水艦について、氷下作戦能力を再確立するための進捗状況を政府が報告するよう求めている。

英国の「ハイブリッド・ネイビー」プログラムに関しては、同委員会は、このプログラムに割り当てられた13億ポンド(17億米ドル)が十分であると確信できないと述べた。委員会は海軍装備輸出を奨励する一方で、政府は、輸出が、不足している艦艇、システム、熟練労働力に対する英国自身の需要と競合しないよう確保する必要があると指摘した。

割り当てられた資金は、5種類の艦艇の調達に充てられる。具体的には、タイプ91無人ミサイルプラットフォーム、水中センサーを搭載したタイプ92無人スループ、タイプ93超大型無人潜水艇(XLUUV)、タイプ94無人レーダープラットフォーム、および将来導入予定の有人「共通戦闘艦(CCV)」である。同報告書は、政府に対し、現在の資金配分が適切であると判断する根拠を明らかにするよう求めている。

国防委員会は、防衛輸出が、緊密な同盟国が王立海軍と相互運用可能であり、北方での作戦に適した能力を配備するのを支援する場合、ハイ・ノースにおける英国の立場を強化し得ると述べた。ノルウェーとの「26型フリゲート」に関する合意は、NATOの北方戦線における対潜戦(ASW)能力を拡大し、英国とノルウェーの作戦面および産業面での統合を深める可能性がある。しかし、報告書は、輸出の成功が王立海軍自身の「26型フリゲート」の引き渡しスケジュールを犠牲にしてはならないと指摘した。

「政府は、海軍装備の輸出が、希少な艦艇、システム、熟練労働力に対する英国の需要と競合するのではなく、産業能力と同盟国の戦力を拡大するものとなるよう確保しなければならない」と、国防委員会の報告書は述べている。

対照的に、同委員会は、ノルウェー北部への定期的な展開による専門知識、後方支援能力、およびコマンドー・ヘリコプター部隊のおかげで、ハイ・ノース作戦における王立海兵隊の能力は優れていると指摘した。しかし、王立海兵隊だけでは、海軍プラットフォームの不足分を補うことはできない。

ジルハン・マハジル

ジルハン・マハジルは、マレーシアのクアラルンプールを拠点とするフリーランスの防衛ジャーナリスト兼アナリストである。1998年以降、彼が寄稿してきた、あるいは現在も寄稿している出版物には、『ディフェンス・レビュー・アジア』、『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』、『ネイビー・インターナショナル』、『インターナショナル・ディフェンス・レビュー』、『アジアン・ディフェンス・ジャーナル』、『ディフェンス・ヘリコプター』、『アジアン・ミリタリー・レビュー』、『アジア・パシフィック・ディフェンス・レポーター』などがある。