オランダとフランスが「核抑止」に関する協議をスタート
オランダとフランスの両政府は2026年10月14日、新設された二国間「核運営グループ」の初会合を開催し、欧州の防衛における核および通常戦力による抑止体制についてハイレベル協議を開始しました。
初の二国間フレームワークが始動
オランダ国防省が10月15日に発表した声明によると、両国がこのレベルで核抑止に関する具体的な協議を行うのは初のことです。会合にはフランス政府高官が出席したほか、オランダ側からは総務省(首相官邸)、国防省、外務省による合同代表団が参加しました。
今回の協議では、欧州への攻撃を未然に防ぐため、フランスの持つ核戦力と欧州各国の通常戦力をいかに連携・強化させるかが主要テーマとなりました(なお、現時点で具体的な合意・決定事項は公表されていません)。
マクロン提案を受けた「先進的抑止力」への参画
この取り組みは、2026年3月初旬にフランスのエマニュエル・マクロン大統領が欧州諸国へ呼びかけた戦略対話の提案に端を発しています。オランダ政府は連立協定に基づき、この提案を受諾しました。
マクロン大統領は3月2日、フランスの弾道ミサイル原子力潜水艦基地があるイル・ロングでの演説にて、核弾頭の増強や新たな「先進的抑止力」のコンセプトを提唱しました。この方針のもとでは、核運用能力を持つフランス空軍機が同盟国の領域内へ一時展開する構想などが含まれています。
マクロン氏はドイツを筆頭に、オランダやポーランドなどの欧州各国を重要パートナーとして言及。パートナー諸国が早期警戒、防空、長距離打撃能力を供出することで、自国領域とフランスの核抑止力との関わりをより明確に提示できると説明しています。
NATOとの関係と欧州独自の安全保障
オランダ政府は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて欧州の安全保障環境が著しく悪化していると指摘。欧州全体が自国の防衛において主導的な役割を果たす必要があるとし、フランスとの協力はその目的に合致すると表明しています。また、この二国間協力は「NATOによる集団防衛や抑止力を代替するものではなく、あくまで補完するもの」である点を強調しています。
フランスの核管理体制とオランダの位置づけ
英国のEU離脱後、フランスはEU域内唯一の核保有国となっています。フランスの核戦力は国家による排他的な管理下に置かれており、最終的な使用権限は独立して大統領のみが保持しています。マクロン大統領は、今回の連携フレームワーク下においてもこの指針に変更はないとしています。
一方、オランダは従来からNATOの「核共有(ニュークリア・シェアリング)」枠組みに参加しており、自国の航空機や乗組員を同盟の核ミッション用に提供する一方で、核兵器自体の最終的な管理権は米国が保持する体制をとっています。今回のフランスとの新たな協議は、こうした従来の枠組みと並行して進められることになります。

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