2026年10月8日木曜日

F-16の最新型ブロック72が初飛行―機体はモロッコ空軍向け、P&Wエンジンを搭載する―初飛行から半世紀以上のヴァイパーは今後も各地の第一線で活躍しそうですね

 

モロッコ向けF-16ブロック72が初飛行

First F-16 Block 72 Has Flownたこの「バイパー」ブロック72の初号が空に

モロッコがローンチカスタマーとなってか、プラット・アンド・ホイットニー製エンジンを搭載し舞い上がった

Lockheed Martin today announced the successful first flight of the Royal Moroccan Air Force’s (RMAF) first F‑16 Block 72 aircraft, marking a key milestone as the aircraft progresses through flight testing toward first delivery.

ロッキード・マーティン

初の F-16ブロック72が初飛行し、同プログラムおよび、ロッキード・マーティンが 「ヴァイパーの最先端バージョン」と称する機体を導入するモロッコの長年にわたる取り組みで重要な節目となった。

同社が本日発表したところによると、モロッコ王立空軍(RMAF)向けの最初の機体2座型のF-16Dが、サウスカロライナ州グリーンビルにあるロッキード・マーティン施設で初飛行を完了した。同機はモロッコへの引き渡しに先立ち、飛行試験を進めることになる。

興味深いことに、ロッキード・マーティン公開した同機の写真のうち1枚には、前方コックピットに座るパイロットがデジタル・ジョイント・ヘルメット・マウント・キューイング・システム(D-JHMCS)を装着している様子が写っている。この先進ヘルメットをF-16のパイロットが着用している姿はめったに見られず、モロッコがこれを発注したかどうかは明らかではない。

いずれにせよ、米国政府が2019年3月に購入を承認した際、モロッコは「ブロック72」仕様を選択した最初の顧客となった。

国防安全保障協力局(DSCA)は、モロッコが推定37億8700万ドルの契約枠で、F-16C/Dブロック72型機25機の調達を目指していると述べていた。提案された機体には、アクティブ電子走査アレイ方式のAN/APG-83スケーラブル・アジャイル・ビーム・レーダー(SABR)、新型ミッションコンピュータ、リンク16多機能情報配信システム、近代化された航法システム、ヘルメット装着型キューイングシステム、および各種空対空・空対地兵器が装備される予定と合った。

翼下にAGM-88 高速対レーダーミサイル(HARM)を2発搭載したモロッコ王立空軍のF-16C/D ブロック52+。米空軍、セイラ・ティンスリー曹長撮影

ブロック70とブロック72の違いはエンジンだ。ブロック70はジェネラル・エレクトリックF110-GE-129を採用しているのに対し、ブロック72はプラット・アンド・ホイットニーF100-PW-229を採用しており、わずかに高い出力を発揮する。それ以外の点では、両仕様とも主要なエイビオニクスおよびシステム近代化パッケージを共有している。

F-16は当初、プラット・アンド・ホイットニー製エンジンを搭載した戦闘機として誕生し、初代F-16A/BにはF100が選定されていた。しかし、初期のF100における信頼性や整備性の問題を受け、米空軍は1980年代に代替戦闘機エンジンの選定競争を開始し、その結果、ジェネラル・エレクトリックが代替エンジンとしてF110を開発することとなった。その結果生じた「エンジン大戦」により、F-16用エンジンには2つの競合するファミリーが確立され、プラット・アンド・ホイットニーF100とGEF110が、最終的に後期型F-16C/Dの主要な動力源となった。米国の調達では最終的にGEエンジンを搭載したF-16に大きく集中することとなったが、プラット・アンド・ホイットニーはF100を搭載した機体を海外顧客に供給し続けた。

モロッコにとって、ブロック72の選択は、機体群の共通性を可能な限り確保することに基づいている。RMAFはすでにF100エンジンを搭載したF-16C/Dブロック52+を運用しており、新型機は既存の支援インフラに自然に適合する。

また、モロッコは既存のF-16機群をF-16V仕様へとアップグレードしており、これは新規製造のブロック70/72規格と概ね類似している。

これにより、最終的には、共通かつ大幅に近代化されたF-16規格を中核とする、より大規模な機体群がRMAFに提供されることになる。

2019年3月の別の通知では、モロッコが保有する既存のF-16C/Dブロック52+型機23機をF-16V規格にアップグレードすると報じられた。

モロッコの新規およびアップグレード版F-16は、他の国際的なパートナーとの共同作戦を大幅に強化する可能性もある。近年、モロッコのF-16はISISに対する作戦に参加したほか、イエメンではサウジアラビア主導の有志連合の一環として、フーシ派反政府勢力に対する任務にも同機を投入している。2015年、モロッコのF-16がイエメンで墜落した。フーシ派は同機を撃墜したと主張したが、モロッコ当局は墜落の原因を技術的な不具合によるものと断定した。

戦闘作戦以外でも、モロッコ空軍は同盟国との演習に頻繁に参加しており、その中には、米アフリカ軍(USAFRICOM)とパートナー諸国が主導する最大規模の年次多国籍合同軍事演習である「アフリカン・ライオン」シリーズも含まれている。


A Utah Air National Guard KC-135 Stratotanker refuels a Royal Moroccan Air Force F-16 aircraft over central Morocco as part of exercise African Lion 2019, March 18, 2019. This multinational air-to-air refueling training promoted interoperability and enhanced strategic cooperation. African Lion 2019 is a Chairman of the Joint Chiefs of Staff-sponsored, U.S. Africa Command-scheduled, U.S. Marine Corps Forces Europe and Africa-led, joint and combined exercise conducted in the Kingdom of Morocco with a spoke in Tunisia. (Courtesy Photo )

「アフリカン・ライオン2019」演習の一環として、モロッコ中部上空で、ユタ州空軍州兵のKC-135ストラトタンカーがモロッコ空軍のF-16に空中給油を行っている。米空軍/提供写真

一方、モロッコが新規に導入するこの機体は、F-16プログラムにおいても興味深い局面を迎えている。

ブロック70/72は、ヨーロッパ、中東、アジアをはじめとする世界各地の顧客から注目を集めており、 バーレーン、ブルガリア、 ヨルダン、 ペルー、 フィリピン、スロバキア、 台湾、 トルコも、最新世代の「ヴァイパー」仕様を選定している。これまでのところ、発注されているのはブロック70のみだが、ブロック72は一部の顧客や潜在的な顧客にも提案されている。また、米空軍も、自軍ニーズに合わせてカスタマイズされたブロック70のバージョン(メーカーではF-16Gと呼称)に関心を示しているようだ。

モロッコがブロック72のローンチカスタマーであるということは、現在同国で運用されている機体が、事実上、他国も購入可能な輸出仕様のプロトタイプ基準の量産機であることを意味する。

また、モロッコのF-16プログラムは、同国の軍需産業および維持管理インフラを整備する広範な取り組みとますます密接に結びついている。

ロッキード・マーティンは、ベンスリマーンに建設予定のMRO(整備・修理・オーバーホール)施設について、メンテナンス・エアロ・モロッコ(Maintenance Aero Maroc)含むモロッコ産業界と協力している。86,000平方フィートを超えるこの施設は、当初はC-130ハーキュリーズの重整備および近代化を支援することを目的としており、将来的にはF-16を含む他の機種にも対応を拡大する計画である。

これにより、モロッコは自国の拡大する航空機維持管理でより大きな役割を果たすようになり、将来的には同地域の他の航空機の支援も可能になる可能性がある。

F-16プログラム自体は、50年以上に遡る広範な米国とモロッコの防衛関係の一環である。現在、モロッコ王立軍は米国から供給された各種システムを運用しており、モロッコは HIMARSの受領も予定されているほか、 AH-64Eアパッチ攻撃ヘリコプターの導入により回転翼機の戦力を拡充している。

しかし、モロッコ王立軍(RMAF)にとって、F-16は戦闘機の近代化の中核であり、配備されれば同国の戦闘機部隊の先鋒となるだろう。■

トーマス・ニュディック

スタッフライター

トーマス・ニュディックはTWZのスタッフライターであり、軍事航空、防衛技術、兵器システム、国際安全保障を担当している。ドイツのベルリンを拠点とし、世界中の紛争、軍事近代化の取り組み、新興の航空宇宙技術について報道しており、特に空軍力と現代戦争におけるその役割に関心を持っている。彼の報道は、現代および歴史的な空軍力、特にヨーロッパにおける深い専門知識に基づいており、大陸内外の軍事航空、空戦、航空宇宙開発に焦点を当てている。


ディスカッション

  • モロッコには、米国製の優れた戦闘機を要請し、活用してきた歴史がある。しかし、カーター大統領は在任中、OV-10やヘリコプターの供与を拒否した。レーガン大統領は就任直後、同国にブロンコとヘリコプターを提供した。詳しい記事はこちら:

  • https://en.yabiladi.com/articles/d...

  • カーター大統領がハッサン2世へのOV-10およびコブラヘリコプターの引き渡しを拒否したとき

  • en.yabiladi.com

    • しかし、カーター大統領は在任中、OV-10やヘリコプターの譲渡を拒否した。

    • 1970年代から1980年代にかけてのモロッコは、国王の追放を狙った2度のクーデター未遂事件を経て、「鉛の時代」と呼ばれる時期にあった。政府は抗議活動や報道機関、改革派、野党に対して弾圧を行っていた……

  • アーカイブより……堅牢なF-16用シェルターではなく、モロッコ・カサブランカにある巨大なハッサン2世モスクの金属製の扉に過ぎない。とはいえ、かなりクールなシェルターの扉だ。

  • アフリカ初のF-16。

  • https://www.youtube.com/watch?v=dDQ0rUdj0KM

  • 動画を見る

  • YouTube

  • 『ナイルの宝石』(2/5)映画クリップ - ジェット機での脱出(1985年)HD

  • 塗装はかっこいいけど、そのF-16は何かおかしい。ミラージュ2000を除けば、単発の複座ジェット機はいつも違和感がある。背骨の部分も平坦すぎる。

  • 砂漠迷彩が気に入った…

  • 素晴らしい。塗装が最高だ。

  • どうやら、マグレブ冷戦もいずれ融解しそうだ。

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