2026年10月30日金曜日

日本でのAMRAAMミサイルは保安上の懸念から米製重要部品の国内組付けになるとのTWZの観測―あわせてSM-3迎撃ミサイルの増産も日米で合意か

 

米国がAIM-120を大幅に増産する中、日本がAMRAAMミサイルの組立てを開始へ

数十億ドル規模のミサイル生産拡大として、日米両政府はSM-3ブロックIIA迎撃ミサイルの生産加速も目指している

An F-35A with the 461st Flight Test Squadron, 412th Test Wing, conducts a TR-3 AIM-120 live fire mission over the Pacific Test Range on January 22, 2025. The F-35 Integrated Test Force at Edwards is responsible for developmental testing of all three F-35 aircraft variants across the joint-services.

米空軍/イーサン・ワグナー

米国と日本は、AIM-120先進中距離空対空ミサイル(AMRAAM)の最終組立および検査施設を日本に設立する。これは、米国および同盟軍の需要が高まる中、 弾薬生産の拡大に向けた二国間の取り組みを推進するものである。

小泉進次郎防衛大臣は、フィリピン・セブで開催された「ASEAN国防相会議プラス(ADMM-Plus)」の合間に、ピート・ヘグセス米国防長官と協議を行った後、この合意を発表した。同施設は、防衛装備品・技術に関する両国間協力を加速させる「オペレーション・スーパーチャージ」の一環で運営される。

『Air & Space Forces Magazine』が掲載した発言の翻訳によると、小泉大臣は「F-35にとって不可欠なAMRAAM空対空ミサイルの最終組立・検査施設を日本に設立することについて、ついに合意に達した」と述べた。

小泉大臣は、この合意について、両国が必要とする装備への確保を図ると同時に、日本の国内防衛産業基盤を強化する手段であると説明した。現時点では、施設の立地、建設スケジュール、想定生産能力、および日本の産業パートナーについてはまだ明らかにされていない。

U.S. Air Force Staff Sgt. Andrew Wilson, left, a weapons load crew chief, and Senior Airman Anthony Silva, a weapons load crew member, assigned to the 57th Aircraft Maintenance Squadron’s Bolt Aircraft Maintenance Unit, secure a munition onto a bomb lift truck during a hot integrated combat turn (ICT) exercise at Nellis Air Force Base, Nevada, June 23, 2025. During hot ICTs, four AIM-120 Advanced Medium-Range Air-to-Air Missiles are loaded onto an F-35 Lightning II while the aircraft is simultaneously refueled with its engines running. (U.S. Air Force photo by William R. Lewis)

2025年6月23日、ネバダ州ネリス空軍基地にて、米空軍の兵器搭載要員がAMRAAMを爆弾運搬車に固定している。米空軍写真:ウィリアム・R・ルイス

発表は、9月にRTXの子会社レイセオンに交付された5年間のAMRAAM生産契約(さらに2年間の延長オプション付き、総額最大207億ドル)に続くものである。2月に 発表された枠組み協定に基づき、レイセオンは年間少なくとも1,900発のミサイル生産を目指している。この数字は全体的な生産目標を表しており、将来建設される日本の施設もその一部を担うことになる。AIM-120の単価は1基あたり100万ドルを超える場合もある。

今回の新たな取り決めは、AMRAAM製造への日本の参画をめぐる2年以上にわたる協議を経て実現した。構想は2024年に浮上し、その後、三菱電機が支援しレイセオンが実現可能性調査を行った。2026年4月までに、協議の範囲は最終組立・検査に加え、回路基板アセンブリの日本国内生産の可能性に拡大していた。

高需要ミサイルの新たな生産拠点に

超視程空対空ミサイル「AIM-120」は、F-35を含む米国および同盟国の幅広い戦闘機で使用されている。同ステルス戦闘機は、日本に駐留する米空軍および海兵隊の部隊に加え、航空自衛隊(JASDF)でも運用されている。また、米空軍と航空自衛隊はともに日本国内でF-15派生型を運用しており、これらにおいてもAMRAAMは主要な兵器となっている。

嘉手納空軍基地向けに指定された最初のF-15EXイーグルIIが、ボーイングのセントルイス工場で離陸する。米空軍写真:シニア・エアマン メラニー・ベルムデス

AMRAAMは、国家先進地対空ミサイルシステム(NASAMS)を含む地上配備型防空システムでも採用されている。このシステムは米国の首都圏を保護し、世界中の十数カ国で運用されている。ウクライナでの約3年にわたる作戦を通じ、その性能は十分に実証されてきた。

NASAMS - SHORAD & VSHORAD system with AIM 120 AMRAAM and AIM-9X thumbnail

NASAMS – AIM-120 AMRAAMおよびAIM-9Xを搭載したSHORADおよびVSHORADシステム

レイセオンによると、この兵器は44カ国で配備され、プラットフォーム14種類で運用されている。戦闘機作戦や防空におけるその重要性が依然高いことから、米国は在庫補充と急増する国際需要への対応を図るため、製造能力の拡大を優先課題としている。これは、ほんの数年前、世界的なAMRAAMの備蓄が潤沢であると見なされていた状況と著しい対照をなしている。

それ以来、AMRAAMは米国および同盟国によるフーシ派のドローンに対する作戦で広範に使用されたほか、イランによる度重なる攻撃からイスラエルを防衛する取り組みの一環として、シリアおよびイラク上空での交戦でも使用された。ウクライナも、ロシアのドローンや巡航ミサイルに対抗するために、NASAMS防空システムや、最近はF-16戦闘機を通じて、これらのミサイルを相当数消費している。これらの弾薬は、米国およびNATO同盟国から供給されている。

今回の新たな米国生産契約はロット41から47までが対象で、近代化されたプロセッサとソフトウェアベースの電子戦対策機能を備えた先進的なAIM-120D-3型も含まれている。

AMRAAMの供給量増加を模索する動きが活発化する中でRTXは製造設備、人員拡充、およびサプライヤーの生産能力への投資を行ったと述べた。同社はまた、製造上のボトルネック解消に向けた取り組みの一環として、2027年に稼働開始が見込まれる米国内の固体ロケットモーターの新たな生産ラインを明らかにした。

嘉手納空軍基地で行われた大規模航空機世代演習中、整備員がF-15への搭載に向けてAIM-120D AMRAAMを準備している。米空軍/上級空軍兵ピーター・レフト

この契約は、これまで同プログラムの特徴であった短期の調達契約よりも、生産の安定性を高めることを目的としている。その複数年契約という構造により、レイセオンは将来需要をより明確に把握できるようになり、製造能力およびミサイルの部品サプライチェーンへの投資を後押しする。

日本の参加により、拡大中の産業基盤に新たな組立拠点が加わる可能性がある。新型AIM-260の開発が進んでいる現在、AMRAAMの技術的機密性が低下していることも、この動きを後押しするだろう。ただし、当該施設が総生産量をどの程度増加させるかは、最終的な生産能力と、日本および米国の産業界間の製造責任の分担次第となる。

技術移転と産業上の保安措置

今回の合意は、産業参加と技術保護をめぐる交渉プロセスの最新段階である。

日本における武器輸出および防衛産業協力に対する長年の規制は、攻撃的とみなされる兵器に関わる取り決めを複雑にしてきた。AMRAAMには機密の誘導技術や独自の知的財産も組み込まれており、機密情報の移転や取り扱いを規制する保安措置が必要となる。

したがって、計画されている施設は、ミサイル全体を国内で製造するという約束には至っていない。代わりに、最終組立・検査モデルを採用することで、日本は産業協定を通じて生産された部品を用いてミサイルの完成と検査を行うことができる。

日本政府にとって、国内組立は、自国のAMRAAM備蓄の補充を支援し、防衛産業能力を強化するのに役立つ。米国政府にとっては、認定された生産拠点が追加されることで、米軍や国際的な顧客にサービスを提供する製造ネットワークが多様化することになる。

SM-3の生産も焦点に

「オペレーション・スーパーチャージ」の対象となるミサイルはAMRAAMだけではない。小泉大臣はまた、米国と日本が、スタンダード・ミサイル-3 ブロックIIA迎撃ミサイルの生産拡大を目的とした技術情報の共有で合意したことを認めた。

SM-3ブロックIIAは、弾道ミサイルの飛行中段段階で迎撃する設計で、主に艦載型イージスミサイル防衛システムに配備されている。この迎撃ミサイルは日米共同開発プログラムの成果であり、日本も導入しており、2隻の新型巡洋艦級イージスシステム搭載艦(ASEV)で主要な迎撃手段となる。

今回の合意によりSM-3の生産量がどの程度増加する見込みか、あるいは追加生産分がいつ利用可能になるかについては両政府とも明らかにしていない。

2つの取り組みは、地域の安全保障上の懸念が高まる中、同盟国の兵器供給網を強化しようとするより広範な取り組みを反映している。日本は、日本列島周辺における中国の軍事活動の活発化や、東・南シナ海全域で続く紛争を背景に、防衛能力の拡充を進めている。

生産施設内のSM-3ブロックIIA迎撃ミサイル。レイセオン

また、欧州諸国も、国内のミサイル製造能力の強化に向けた取り組みを進めており、これにはペイトリオット迎撃ミサイル他の防空兵器が含まれる。例えば今週初め、ロッキード・マーティンはポーランドにPAC-3ミサイル専用整備施設(MMF)を設立すると発表した。

会談の概要説明において、米国防総省は、ヘグセス長官が日本の防衛産業能力強化に向けた取り組みを歓迎したと述べた。両首脳はまた、重要弾薬の生産に関する継続的な連携を約束したが、概要説明ではAMRAAM施設について具体的に言及されていない。

これらの合意は、緊密な産業協力の枠組みを確立するものだが、最終的な運用上の影響は依然として不透明だ。現時点では、日本の施設の立地、稼働開始日、年間生産量、および具体的な製造担当範囲に関する詳細は不明のままである。一方、SM-3イニシアチブについては、公表された生産拡大目標が存在しない。

いずれにせよ、日本にAMRAAM組立・検査能力を確立する動きは、米国の製造能力の大幅拡大と併せれば、極めて理にかなったものだ。取り決めが、長期化するインド太平洋地域の危機においてミサイルの供給状況を改善できるかは、新たな生産能力がどれほど迅速に稼働し始めるか、そして広範な生産ネットワークで両国が必要とする部品や完成品を供給できるかどうかにかかっている。■

トーマス・ニューディック

スタッフライター

トーマス・ニューディックはTWZのスタッフライターであり、軍用航空、防衛技術、兵器システム、国際安全保障を専門に取材している。ドイツのベルリンを拠点とし、世界中の紛争、軍事近代化の取り組み、新興の航空宇宙技術について報道しており、特に空軍力と現代戦争におけるその役割に関心を持っている。彼の報道は、現代および歴史的な空軍力、特にヨーロッパにおける深い専門知識に基づいており、大陸内外の軍用航空、空戦、航空宇宙開発に焦点を当てている。

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントをどうぞ。