2026年10月19日月曜日

ロシア軍ドローンの領空侵犯にポーランド空軍はこう対応している

 【ポーランド空軍はいかにして領空侵犯するロシア軍ドローンに対処しているか】

ポーランド軍作戦司令官のイレーヌシュ・ノヴァク少将は、現在空軍の能力の8割を防空任務に割いていると明かした。ただし、陸空が一体となった同国の統合防空体制が完成するまでには、なお3〜4年の期間を要するという。

  • 出展: Breaking Defense

  • 著者: バルトシュ・グロヴァツキ(Bartosz Głowacki)

  • 掲載日: 2026年10月14日



ワルシャワ――防空網の近代化を推し進めるポーランドだが、その途上にある現在も空軍は連日最高レベルの警戒態勢を維持しており、現場の隊員や装備には極めて大きな負担がのしかかっている。ポーランド軍作戦司令官のイレーヌシュ・ノヴァク少将が現状の厳しさを語った。

ノヴァク少将によると、空軍の全リソースの実に8割を防空任務へ投入せざるを得ない状況が続いており、地上部隊と航空戦力をシームレスに連携させる統合防空システムの整備完了には、あと3〜4年はかかる見通しだという。

「計画の達成度はまだ3割程度に過ぎません。現在は新たな兵器システムの調達手続きを進めており、それらの実戦配備を待っている段階です」と、ノヴァク少将は「ワルシャワ・セキュリティ・フォーラム」のパネルディスカッションで説明した。

装備の導入までに生じる空白期間を埋めるため、空軍は運用ルールの見直しに着手した。10月1日をもって、攻撃前にパイロットが目視で標的の機種や国籍マークを確認する「目視識別(VID)」手順を廃止。

代わりに「確実識別(PI)」手順へと移行した。これにより、パイロットは相手機へ危険を冒して接近することなく、レーダーデータや他システムからの共有情報、さらにはウクライナ側から提供されたインテリジェンス(情報)などを総合的に判断して即座に迎撃行動へ移れるようになった。

同国の領空防衛を統括するノヴァク少将は、「この運用変更により、はるかに柔軟かつ迅速な対応が可能になった」と強調する。

一方で、高額な戦闘機やミサイルを使って安価な無人機(ドローン)を撃墜する戦術は、費用対効果の面で極めて効率が悪い。ノヴァク少将もその非合理さを認めつつも、現時点では他に取り得る選択肢がないのが実情だと明かす。「低コストなUAV(無人航空機)の攻勢に対し、即応性があり大規模に運用できる専用の迎撃システムを早急に立ち上げる必要がある」と課題を口にした。

討論に参加したノルウェー軍事代表のロルフ・フォランド中将(NATO)も、従来の制空権の概念が大きな岐路に立たされている点に同意し、「一度の局面で防空弾薬を使い果たすわけにはいかない。長期戦を見据えた弾薬の管理が不可欠だ」と指摘した。

ポーランド側も手をこまねいているわけではないが、即効性を期待していた装備の導入は難航している。ノヴァク少将は短期的な解決策として、F-16戦闘機へのレーザー誘導誘導ロケット弾「APKWS(Advanced Precision Kill Weapon System)」の搭載を検討していたものの、実戦配備には壁が立ちはだかっているという。

「米空軍が使用・認証済みの信管を契約・ビジネス上の制限から取得できず、実装に至っていない。現在は代替となる新タイプの信管の供給を待っている状態だ」と少将は明かした。

さらにノヴァク少将は、無人機に対抗する「ドローンハンター」として、韓国製のF/A-50GF攻撃機を活用する構想にも触れた。同機については、ウワディスワフ・コシニャク=カミシュ国防相が今月初めに実戦任務への投入を発表したばかりだ。ノヴァク少将は同機をロシアの脅威に対抗する極めて有望なアセットと評価しつつも、兵器システムの統合には依然として課題が残ると語る。

「本音を言えば、この機体が完全に実用化され、現在のドローン脅威に対して真価を発揮できるようになるまでには、恐らくあと2年ほどかかるだろう。だが、事態が緊迫する中でこれほど時間がかかるという事実に、強い歯がゆさを感じている」と、本音を覗かせた。

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントをどうぞ。